「依存症は病気です」という表面的な捉え方の危険性 | 恵比寿で働く編集長のBLOG

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ギャンブル依存問題の相談機関(のめり込んでいる本人だけでなく、家族など周囲の人が抱える問題の相談にも乗る)の相談員の方は、最近、相談電話をかけてくる方の会話の中に、「依存症」という言葉の登場頻度が高まっているといいます。

そして相談員の方は、「依存症は病気」という概念が定着しつつあることに不安と戸惑いを感じているそうです。

なぜかというと、“依存症という病気がすべての問題行動を引き起こしている”という見方が強まってしまうと、本当の原因が見えなくなり、根本解決から遠のいてしまいかねないから。

相談員が相談者の話を聞いていると、ギャンブルへの過度ののめり込みは、何らかの問題からの逃避行動と思われるケースがあるのです。つまり、根本原因は、環境変化などのストレス対処能力の低さであったり、身内(親など)との人間関係であったり。

「依存症は病気です」という表面的な捉え方は、問題の本質を覆い隠し、画一的な考え方にしてしまう危険性があるのではないか。

相談員の方は、そう感じているそうです。