今年はどんな問題が出たのかな~。
以下、問題です。
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問題は長々と書いてありますが、結局は2線分OP OQの積をtの関数で表し、極大・極小値を求めろっていう問題です。
この問題の助かる所は、まず、3交点のうち1つが原点と確定していること。
これだけで、解の条件は二次方程式を考えればよくなり、最悪でも解の公式でゴリ押しでいるようになります。
では、行ってみましょう。
C:y=x(x-1)(x-3)
L:y=tx
の交点について、
x(x-1)(x-3) = tx
x≠0をであるとすると、両辺をxで割って整理して
x^2-4x^2-t+3=0 ・・・・①
つまるところ、①の解が、P,Qのx座標と対応しているわけです。
ですので、①を解いて
x = 2±√(t+1) がx座標。
ここで、P,QはL上の点ですし、位置関係に制限はないみたいなので、コチラ側で勝手に
P{2-√(t+1), t(2ー√(t+1)} Q{{2+√(t+1), t(2+√(t+1)}
とおいてよいわけです。
これは①の解をLの式y=txに代入したものですが、これをCの式(三次式)に代入すると大変なことになります。
P,QはCの点でもLの点でもあるのだから、簡単な式の方に代入さえすればそれでいいのです。
で、ここでようやくベクトルが登場するんですが、事実上座標処理みたいなもんで、ベクトルとは名ばかりな問題です。
ベクトルの成分表示をして
↓OP={2-√(t+1), t(2ー√(t+1)}
↓OQ={{2+√(t+1), t(2+√(t+1)}
とするわけですが、両方とも共通因数でくくれるので、前に出して
↓OP={2-√(t+1)}・(t , 1)
↓OQ={{2+√(t+1)・(t,1)
としてしまった方が、大きさの処理は楽ですよね。
(上の作業は、↓OP=(k, kt) を、kを前に出して↓OP=k(1, t)としただけです。簡単でしょ。)
で、この大きさの計算なんですが、ここでルートが綺麗さっぱり消えることに気がつけばOKです。
l↓OPl={2-√(t+1)}・√(t^2+1)
l↓OQl={{2+√(t+1)・√(t^2+1)
だから、
l↓OPl・l↓OQl=l4-(t+1)l(t^2+1) =l-t+3l・(t^2+1)
となります。
ただし、ここで注意しておきたいのがl-t+3lの部分。
l↓OPl・l↓OQlは0以上ですから、ーt+3も0以上にならないといけません。そういう意味で絶対値をつけました。(t^2+1は絶対に0より大きくなるのでOK。)
あと、もう1つ。
「CとLは0以外の点で必ず1つは交わる」という条件も適用しないといけません。
この条件は後々になって使うので、わざと今になって書きました。
このための条件は、①が少なくとも1つの実数解をもつ条件なので、判別式を適用して、簡単に
t≧-1 が導けます。
ですから、g(t)=↓OPl・l↓OQl とおくと、結局、絶対値を外せば
g(t)=-t^2+3t^2-t+3 (-1≦t≦3)
g(t)=t^2ー3t^2+t-3 (t≧3)
これが結局求めようとしていた関数の正体だったわけですね。
問題は、極値をとるtがどの範囲に属するか、です。
g’(t)=l-3t^2+6t-1lと出ますから、g’(t)=0を解くと、
t=(3±√6)/3
-1<(3-√6)/3<(3+√6)/3 <3 ですから、どちらもー1≦t≦3の範囲に属するとわかります。
よって、これを代入すれば極値は出ます。
(代入する時に、g(t)をg’(t)で割ってその余りに代入すれば、求める答えがでます。これなら一次式で済みますので、楽ですね。)
ただ、増減表を書くときは注意が必要ですね。
本当だったら、t>(3+√6)/3の範囲では単調減少しますが、絶対値があるので、t≧3に入るとまた単調増加へと変化します。
問題文に「増減を調べ」とありますから、この絶対値処理ができたかどうかを見たいという出題者の意図が感じられます。
まぁ、「増減を調べろ」と書いてなくても、こういう絶対値の絡んだ3次関数においては(いや、そうでない問題でも)、増減を書くのが「礼儀」ってもんでしょう。なぜなら、絶対値があるせいで、極大・極小値の関係がごっちゃになるから、グラフの位置関係からどこが極大・極小になるか必ず言及しておかないと、信頼性の欠けた答案になるからです。
まぁ、この問題は東大志望なら完答できて当然でしょうね・・・。
(僕でも完答できましたから。)
逆に、第3、第4は難問だったらしく、解けなくても仕方ないような問題ばかりだったようです。