「高校殺人事件」 (松本清張著)
僕が生まれて初めて読んだ推理小説です。
少し前に「ゼロの焦点」という作品が映画化されましたが、それを書いた人と同じ著者ですね。
2、3日ぐらい前から読み始め、今日全て読み終えました。
あれほど読書嫌いだった僕が、一日10ページ読むのも苦痛だった僕が、取り憑かれたかのように読みふけった程でした。
非常に面白かったです。
僕は小説、というより読書初心者なので、あまりにも捻った小説を読破するのは難しいと思っていたのですが、この本はその点僕のような素人にでも理解しやすい展開でよかったです。
元々、僕はドラマでも「古畑任三郎」や「探偵ガリレオ」(東野圭吾の原作は読んでいないですが・・・)などの推理ものが大好きでして、もしかしたら推理小説もハマるんじゃないか・・・と思い、書店にあった本の中で、最も印象に残ったタイトルのものを選びました。
すると案の定、読んで見ると止まらない止まらない。
続きが気になって仕方がなくなりますね。
話の内容については詩人のような感性をもつ一風変わった「ノッポ」と呼ばれる主人公の友達が、何者かによって殺害されるという事件が起こります。
その後にも先生が失踪したり、事件の鍵を握っていそうな男が自殺と思われる状態で見つかったりなど、奇妙な事件が連発します。
その中で主人公含む高校生の仲間たちで議論しあいながら推理を進めて行くという物語です。
この本は1961年に初めて出版された本の復刊だそうで、内容的には現代の高校生が喋るような会話などとはかけ離れたものでした。
また、この松本清張という著者は、幼い頃貧しい家庭に育ったため、高校へ行けなかったそうです。
ですから、彼の描く高校生活はあくまで想像であり、この作品を描くのはかなり難しかっただろうと思います。
ただ、あえて難点を挙げるとすれば、最後のオチが少し雑だったかな?とは思いますね。
あまりにも急展開すぎて、後半以外の話は何だったんだ・・・という気がしないでもないですね・・・。
まぁでも、全体的に言えば終わり方は爽快だったと思います。
急展開ということは、逆に言えば今までの謎が一気にスカっとするということですからね。
小説を読んだことがない皆さんも、是非この本から初めてみてはいかがでしょうか?