ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-/サンマーク出版
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エックハルト・トールの「ニュー・アース」を読んだ。
時代によって移り変わる真理などあるはずがないが、その時代に「マッチした」教えというものは確かにあると、この本を読んであらためて思った。
エックハルト・トールは、古来より連綿と続いている覚醒への教えの先端に立つ一人だと思う。
昔読んだトールの「悟りをひらくと人生がシンプルで楽になる」という本はいまひとつピンと来なかったが、そうしたおれの感じたモヤモヤは、この「ニュー・アース」には一切なかった。
その言葉は、最初から最後まで何の乱れもなく、読む者の脳にまっすぐ届けられる。
論理を超えた真理が理路整然とインストールされていく。
いや、われわれのエゴとの同一化がアンインストールされていく。
「ニュー・アース」は機能不全に陥ったわれわれの在り方に対するアンインストーラであり、21世紀のスートラである。
ページをめくるたびに、われわれは自分自身の断片化に気づき、自動的にデフラグ(defragmentation)が起こる。あるいは、恩寵とはこうしたことを指すのかもしれない。
トールは、これまで神秘的に語られてきた事柄をことごとく明快に示してくれる。
そこには何の遠慮もなく、勿体ぶることもない。
その教えは、解釈の余地もないくらい、「そのまま」だ。
それはちょうど、道を尋ねたら、とても親切に教えてくれる人と出会ったような感覚だ。
「あそこの角を右に曲がればコンビニがあります、その3軒隣にあなたの探している家がみつかりますよ」という風に。
あなたは誰かに道を尋ねて、自己流に解釈するだろうか。
普通ならそんなことはしないはずだ。
それと同じようにあなたはページに書かれた言葉をゆっくりと読み進んでいけばいい。
最後のページをめくるとき、あなたは自分が「新しい地」に立っていることに気づくだろう。
そこが、「ニュー・アース」なのだ。