マスコミムラ | Hack or Fuck ?

Hack or Fuck ?

ブログの説明を入力します。

コタツに入ってiPhoneをいじりながらボンヤリとテレビに映る古舘さんを見ていた。

その話題に入る前に古舘さんは、これまた困ったもんですというように一瞬顔をしかめたのが印象的だった。

その話題とは、日本郵政の「天下り人事」についてのものだった。

新政権が発足する前に駆け込みというか抜け駆けというか、とにかくそんな感じで日本郵政の次期社長を決めるのはいかがなものかという風な報道のされ方だった。

(しかも財務省出身者の天下りなんですよ!みなさんどうですか!怒った方がよくないですか⁈)

というスタンスだ。

そして、自民党の菅義偉幹事長代行の「政権移行期に財務省出身のたらい回しだ。看過できない」という「絵」を流し、日本郵政の現社長が「私たちは民間企業ですから」と「ふてぶてしく」発言する瞬間を流したのだった。

視聴者の多くは「また天下りか!舐めやがって!」といった感想を持ったかもしれないが、おれがその時感じたのは「ん…?」というようなものだった。

テレビはその流れで現未来の党の亀井さんや小沢さんの姿を引用してもいた。

これは、明らかに悪の財務省と黒幕政治家という印象操作ではないかという気がする。それもあまりにも性急なやり方の。

日本郵政の突然の発表に慌ててこのような編集になったのかもしれない。

いよいよ250兆とも350兆とも言われる日本郵政の総資産の攻防戦が始まったのだろうか。

国家財政とか国際政治について特に考えることもないおれがうろ覚えの知識だけで感じたことに過ぎないが、これはあのTPPと関係あるんじゃないのかと思う。

そしてここ数年来続いている「官僚支配の打破」という合言葉の裏を見たような気がするのだった。

確かに天下りはダメだと言われれば、まあそうだなと思うものの、この国の秀才たちの集まりである官僚すべてがバッシングされるべきではないはずだ。官僚イコール既得権益の亡者というような刷り込みがなされ過ぎていることに違和感はずっとあった。

思えば、あなたたち庶民の生活が苦しいのは既得権益にしがみついている官僚たちのせいなんです!ほら見てください!この都心の一等地の公務員宿舎を!というような声を朝から晩まで聞かされてきたような気がする。

おれもバカだから、昔はそんなのを見て「マジか!」などと一瞬だけ憤り、すぐに忘れていたことを思い出した。

そしてついちょっと数年前までは銭湯に通っていたことも思い出した。なぜなら報道された公務員宿舎の家賃が当時住んでいた風呂なしアパートと同じ家賃だったからだ。で、真冬に銭湯の帰りにおでんでも買って帰るかとコンビニに寄って、「おでん下さい」と店員の女の子に言ったら、その子が「大きい容器にしますか?小さいのにしますか?」と訊くので、「分かりません」と答えたら、ムッとされたのも思い出した。

で、何だ?そう官僚支配についてだ。

これってもしかして権益争いなのではないかということだ。威勢のいい発言をする政治家のセンセイ方がよく口にする官僚支配を打破してどうするのか?民間の手にって、民間って誰だ?自由化?自由化ってつまりそれで誰が得するのかと考えると、一般庶民ではないことはまず間違いない。

大体、何とか化といって庶民に関係あるものなど老化ぐらいしかおれには思いつかない。おれも最近めっきり目が悪くなってきた…

まあそれはそれとして、では誰が得するのかというと、思いつくのはグローバル企業であり、アメリカである。

仮にそうだとすると、「この国の枠組みを根底からぶっ壊すんですよ!やりましょうよ!」などと言う政治家は、ぶっ壊した後、国家「権益」をどうしようと言うのだろう。やはりグローバル企業に売り払うつもりなのだろうか。それが国のためになるのだと本気で考えているのだろうか。

こうした懸念があるから、TPP反対の声があるわけだが、国家の「権益」を官僚から奪取して企業に渡すことが政治家の役割なのだろうか。

もしそうなった時、政治家は必要とされるだろうか。

考えれば考えるほど様々な疑念が湧いてくるが、今回はそうしたことを書こうとしたのではない。

マスコミの印象操作についてだ。

マスコミは中立を装ってはいるが、明らかに意図を持っているようだ。あるいは持たされているように思える。いずれにせよこのままいけば、マスコミはTPP推進に大きく寄与することになるだろう。

もちろんマスコミで働く個々人のほとんどはそうしたことと関係ないのだとは思う。原発に従事する人々の大多数がごく普通の人であるのと同じであるように。

実際にTPPに加盟したらこの国はどうなるのだろうか。喧伝されているように、国民皆保険制度は本当に崩壊するのだろうか。農業は潰滅するだろうか。それとも逆に良くなるのだろうか。そういう面もあるかもしれないが、それがすべての人々に行き渡るとは到底思えない。マスコミはこうしたことをしっかりとアナウンスしていくだろうか。ワイドショーの1コーナーなどではなく、お笑い芸人のコメンテーターなど立てずに。




…おれは前にテレビで見た古舘さんの発言を思い出す。

「この国には原子力ムラというものがあります…」

そのときの真剣な表情はまるで自分が「マスコミムラ」の一員であるなどと思ってもいないかのようにピュアなものに見えた。




iPhoneからの投稿