阪神淡路大震災から丸30年を
迎えようとしている。
震災の直後、神戸の友人に安否確認をした。
友人とその家族は全員無事と聞いて
ひとまず安心はした。
会員一家であり彼は大幹部だが、
同居する祖母は震災当日、直前まで大きな仏壇に
向かって早朝の勤行をしていたという。
まさにその時、家が激しく揺れ、
仏壇が祖母に向かって倒れて来た。
仏壇が覆いかぶさった祖母は、ご本尊を
頭に載せ、シェルター化した仏壇によって
他の家具からの衝撃を直接受けることなく
無事に救出されたそうだ。
彼いわく、「ご本尊と境智冥合していた」と。
冗談なのか本気なのか、よく分からない話。
しかしその後、残念なことに
帰る家を失った祖母は体調を崩し、
隣県の避難先から入院。
そのまま震災関連死となってしまったと。
当時、大阪出張が多かったので、帰りに
阪神電車で被災地に寄ることは容易だった。
しかしそうした気持ちは、不謹慎ぢゃないか
という思いにより行動に移すことは無かった。
いくら好奇心の強いワタシでも、
そんなことが憚られる大災害だった。
復興した今思えば、ありのままの現実を見て
記憶にとどめ、語っていくことも出来たのでは、
という気もしなくはない。
合掌

