会館に用事があって、牙城会の友人に同行して事務室に入ったことがある。
その日は行事が入っておらず、休館日のようにほとんど誰もいない状況だった。
用事を済ませた後、友人がロッカーを開けて中を指さして言った。
「これを開けてごらん」
数々の備品と一緒に、幾つかの段ボール箱が無造作に積み上げられている。
そのうちのひとつの箱が開封されていたのでフタを開いてみた。
白く細長い封筒がぎっしりと詰められている。
むむっ、何処かで見たような……
「ご、御本尊! なんでこんなところに沢山あるんだ」
「何でかは知らないけど、以前からずっとここにある」
「これじゃ物品だな。普通、仏壇の中とか傍に置くものでしょ?」
全国の会館が同様なのかは知らないが、これには驚いた。
そういえばセンセイも「ただのモノ、一往の」とか言ってたな。
やはり現場の上層部、職業幹部においては、御本尊はビジネスツールでしかないのかも知れない。
ワタシが入会(入信)した当時では、お寺から下付された御本尊の取扱は、それはそれは厳格だった。
家の仏壇に御安置するまでワタシは素手で触ることなく、全部
地区部長がハンドリングしていた。
自宅で地区の数人が題目を唱える中、地区部長は口におシキミの葉をくわえ、息がかからぬようにと慎重に仏壇に御安置してくれた。
以降、ワタシが仏壇を大型のものに買い替えるまで、ワタシが手で御本尊に触れることは無かった。
仏壇を買い換えた時、地区部長に御安置のお願いをしたらこう言われた。
「あ、自分でやってね。大丈夫だから」
お寺から破門されたらこうなるのか?
なんかポリシー無いよな。
大御本尊の意義自体も変えちゃうし。
こうなってくると、最早、なんちゃって宗教ですらない。
戒めていた「根無し草」そのまんま。
でもね、他宗ではこんなことを言ってたりする。
「根無し草であってこそ、どのような環境に在っても豊かな心で人生を歩める」
いつの間にか、元の宗派まで変わっちゃってたということかw