飲食関係は、なるべく、個人店で…と思っています。
せっかくなら…という思いもあるし、
顔見知り…常連さんになると、
好みも分かってもらえたり、
わがまま…にも、対応してもらいやすくなるので。
以前、こういった記事をつづった時、
「中谷さんって、特別扱いを、されたいんですね。」
…といったことを、言われたのよねぇ。
「YES!!」と答えました❤
特別扱いは、嬉しいし、何より、助かる。
説明が最小限で、かゆいところに、手が届く対応って、ありがたいもの。
20代の頃、京都の小料理屋さんで、
「俺は、ここに、何回も、来てんだぞ!!」、
「〇〇さんの紹介やから、来てんだぞ!!」と言ったお客を、
「私、意外と、お客様の顔は、覚えるんですけどね~。すみませんね~。」
…と、にっこり、笑ってあしらっている、おかみさんがいた。
「あきちゃん、1年ぶり…ぐらいやないの?!
はい、まずは、これね。」
…と、3人前はあろう、「湯葉刺し」が、すぐ、出てきた時には、もう、感動した。
そのお店に来たのは、1年以上前だったし、その時で、2回目。
薄いゆば刺しを、何枚にも重ねて、厚みをもたせ、
それに、ふぐ刺しを巻いて食べさせてもらったのが、
美味しくて、忘れられなくて。
何度も、おかわりをして、
はしたない食べ方をしたのに、覚えていてくれた…
独りで来ていたわたくしを、
「この子、うちの常連さん。」…と、
正真正銘、一目瞭然、常連さんのご隠居に、紹介をしてくれたの…
「わたくし、2回目で、常連なんて、とんでもない。」
と、ご隠居さんに言ったらね…
「それは、お嬢ちゃんが決めることじゃないな。
おかみが、常連さん…って、お嬢ちゃんのことを言ったのなら、
ここにおるお客は、皆、お嬢ちゃんのことを、常連さんなんやな…と思うだけ。
のれんをくぐるまで…は、店のもん(者)と客は、あかの他人。
のれんをくぐれば、ここは、店のもん(者)の世界。
のれんをくぐったからといって、
さっきまで、あかの他人だったもんが、
お客様になれると思ったら、大間違い。
あかの他人を、お客さんかどうかを決めるのは、
ここのもん(者)、おかみの自由。
客は、おかみの世界に、お邪魔させてもらってるんやから、お嬢ちゃんは、素直に、常連さんになっとき。
店は、店のもん(者)の生き方と、
そこに来る、あかの他人の常識で、出来ていく。
だから、店は、常連の質を見れば、
店の質も、おのずと知れるもんなんやな。」
わたくし自身が、ビジネスの人間環境を、
とても、重視しているのは、
こういうお話を、聞かせてもらい、見せてもらったから。
人生の学びは、そこらじゅうに、あるものです。
プランニング プロデューサー 中谷彰子