型「転掌」(テンショウ)は、
陰の息吹とともに
内、外の掛け受けと掌底、
掬い受けと貫き手、
廻し受けを繰り返すことで
気を静かに集中させて
鎮めるとともに
身体の軸を中心に
しなやかな強さを
増幅させます。
拳を握る連続技とは
まったく異なる修養であり、
意識をして手を開くことは、
日常にはない、
心身を開くということに
つながります。
外から内にスッと入ってくるもの、
内から外へと引き出されていくもの、
四方の空間を
己の器とするような感覚から
得られるものは
多様でとても大きいもの。
一年のなかで、
真冬の稽古こそが
心身の力を蓄える
最もよい時季であることを
改めて感じています。
サッと道衣を身につけ、
シュッと帯を締めると
自然と背筋が気持ちよく伸びる。
寒さを感じていないわけでは
ないのですが、
とてもたのしいというのは、
我ながら不思議なものだと思います。
時代も人も
例外なく移り変わるもの。
諸行無常の大前提に立ち返り、
自分はどうありたいのか、
今年一年を
ともに頑張ってまいりましょう。