本日、長年の道場仲間が半年ぶりに
稽古に復帰しました。
とてもうれしい、この一言に尽きます。
師走の稽古、約二時間は短いものですが、
後輩のみなにとっても
いつも以上に
張りのある時間になったものと思います。
その稽古に復帰した仲間が、
先日、市から青少年の健全育成にかかわる
表彰を受けました。
私にとって
これもまた心からうれしい思いです。
社会にはこうあるべき、
というものがあります。
人は一人では生きられない、
助け合っていくものである以上、
社会人としてだけではなく、
小中学校、高校や専門学校、大学でも、
どのような社会においても、
あるべき姿、理想の形、
目指すべきものがあるはずです。
その目標をしっかりと押さえ、
そこに向かって一歩ずつ進んでいくことの
大切さを改めて感じました。
一方で、
人それぞれ、みな違っていてよい、
という時代でもあります。
ヴィクトール・フランクルがいう、
伝統的な価値観が薄れている時代―――。
社会から価値観を押し付けられることがない
ということは、
その価値観を自ら見出していくことが
求められる時代ということです。
結果、社会は若者だけでなく、
いい大人たちまでもが
さまよい続いけている状況にあふれています。
これを課題として認識しつつも、
その解決策として、
かつてのように、
何かしらの枠組みを押し付けるというのは
もはや現実的ではないのでしょう。
自分探しという言葉が
使われるようになって久しい。
これを否定するつもりはありませんが、
人生とは果たして
そういう類のものでしょうか。
自由であるということが、
いかに難しいものであるか。
前述の論からはやや逆説的となりますが、
さまざまなものから
解き放たれた状況に身を置くことが
可能となるいまの時代を
自分のものとしていくためには、
やはり、確かな軸を持つ必要が
あると思うのです。
人生は短距離走ではありません。
紆余曲折、試行錯誤を重ねながら、
長い道のりを
進んでいかなければなりません。
当会が目指すものにおいて、
そのための稽古、必要な修練とは
どのようなものであるか、
そこで自分ができること、やるべきこと。
途上ではありますが、
確かなものとして
手応えを感じつつあります。
来週はいよいよ締めくくり、
本年の稽古納めです。