剛柔流空手道とは、と聞かれたら、
いまの私は、こう答える。
呼吸法を軸とした円運動 ―――。
身体の大きさ、骨格、肺活量など、
人それぞれの特性のなかで、
個々の剛の息吹(陽の息吹)、
陰の息吹を体得する。
その呼吸は心の揺れとつねに連動し、
全神経を鎮め集中力を高める。
そして、
それは身体の動きに結び付き、
持久力と瞬発力を最大限に高める。
動きの要諦は、
体幹からの伸びるような解放と、
体幹への揺り戻しである。
感覚的に言えばストレート〈直線〉や
ライトアングル〈直角〉ではなく、
サークル〈円〉や
サーキュレイション〈循環〉。
日々の稽古は、
愚直なまでの繰り返しの連続。
その中でさまざまなものが養われ、
新しい発見や気づきが生まれ、
広がりは空手道にとどまらないものとなる。
これまで、大きな目標を大上段に
構えてきたわけではないが、
命をはじめあらゆるものが有限であることを
否応なしに思い知らされ、
自分が何を目指していくべきか、
徐々に形作られてきたように思う。
迷いや試行錯誤のなかから
生まれるものもある。
修練の起点は呼吸法であると
改めて強く感じている。