息吹は、

 

空手道における最大の特徴と言える。

 

那覇手、首里手など

 

系統、流派に関する差異はあるものの、

 

陰の息吹、陽の息吹、

 

いずれも

 

一朝一夕に成るものではない。

 

 

集中力を高め、

 

身体全体を締めると同時に、

 

息を吸い、

 

すべてを吐き出す、

 

この動作を繰り返す。

 

修練を重ねた空手家の息吹ほど、

 

魅せられるものはない。

 

鳥肌が立つほどの存在感を放つ。

 

決して、神経は高からず、

 

身体は固からず、

 

視線は尖らず。

 

 

諸説はあるものの、

 

それはインドのヨガ、

 

中国の太極拳の思想を

 

色濃く受けたものであろうということは、

 

そのいずれも

 

経験したことがある者であれば、

 

ある種の体感として得られるもの、

 

納得できるものが

 

あるのではないだろうか。

 

息を吐くことに

 

徹底的な意識を向ける、

 

これが初歩となる。

 

 

空手道には手技による受け突き、

 

切れ味の鋭い蹴りなど

 

派手な動きは多いが、

 

この息吹にこそ、

 

その者の修練が現れると言っても

 

過言ではない。

 

 

息吹を修練する意義は、

 

計り知れないものがある。

 

その道半ば。 

 

ゆえに、

 

さらなる成長への期待がある。

 

 

           

 

 

先日開催された武道連盟の新年会において、

 

ある師範が言っていた。

 

真の武道を学んでいる者は、

 

どのような局面においても、

 

絶対に負けない。

 

必ず切り拓く。

 

 

空手道においては、

 

この息吹こそ、

 

その修養のおおもととなる。

 

地の底から湧き上がるような力強さと、

 

覆う空気を鎮めるような静かさ。

 

大上段に構えるわけではないが、

 

そのような境地があるのだろうと思える。

 

一つの修養が及ぼす幅は、

 

それにとどまらない。 

 

誰しも、きっと成長できる。

 

伸び代は、大きい。