武道とは、

 

自然や人に対応することを学ぶものである ―――

 

 

10月29日(日)に第42回桶川市民まつり

 

「武道の広場」を盛大に開催することができました。

 

桶川空手道会は、

 

桶川中学校隣の「桶川柔剣道場」で

 

ともに稽古した仲間の柔道、剣道、合気道、

 

弓道、少林寺拳法と協力して構成する

 

桶川市武道連盟において

 

本年度の幹事団体であり、

 

市民まつり実行委員会のメンバーとしても

 

桶川市のスポーツ振興課、

 

産業観光課とともに、

 

開催日の前日夜まで準備を進めてきました。

 

 

6団体合同の開会セレモニーで行う

 

幹事団体恒例の演武では、

 

市長、議長、県議をはじめ来賓を迎えて、

 

空手道の基本や組手、型、

 

試割りなどを披露し、

 

市長がサプライズで試割りに参加するなど、

 

たいへんな盛り上がりをみせました。

 

その後、6各団体がそれぞれの会場に移り、

 

稽古等を行いました。

 

当会では開会セレモニーののち、

 

かつての剛柔会で研鑽を積まれた

 

師範等を迎えて特別稽古を行いましたが、

 

その最後、その師範の真剣でみなに

 

熱く語りかけるような講評のなかで、

 

武道とは自然や人に対応することを

 

学ぶものである、

 

との言葉がありました。

 

 

そして、

 

2020年の東京オリンピックの

 

新種目としても注目を集める空手道ですが、

 

師範は競技の決められたルールで勝つことを

 

稽古の目標とするのはどうなのであろうか、

 

と言われます。

 

むろん、そのなかにおいても成長を

 

否定するものではありません。

 

たいへんな努力が伴うと思いますが、

 

そこが武道を学んでいる者が目指すべき

 

ところであるのか、

 

という指摘なのです。

 

 

自然も人も、相対する関係において

 

事前に決められたルールはありません。

 

自然は雄大で人智を超えた存在であり、

 

人は千差万別である以上、

 

臨機応変に動くことができる

 

己の心身の鍛錬が肝要である、

 

と言われるのです。

 

 

そして、

 

それは人との比較や優劣ではなく、

 

いまの自分と向き合うことによる修養、

 

克己心ともいうべきものなのだと思うのです。

 

 

入門当初から

 

私が幾度となく耳にし、

 

学んできた会長範士の指導方針、

 

桶川空手道会の開設理念が

 

改めて思い起こされます。

 

 

入門して以降、

 

空手道が厳しく楽しいものと実感し、

 

確固たる信念を持ちつつあるようで

 

依然として試行錯誤している自分がいます。

 

武道に限らず、

 

さまざまなものに長年取組んでいる

 

各界の大先輩からも

 

「一生勉強です」と言われますので、

 

早々に答えがでるものではないのでしょう。

 

 

ですが、一つ、

 

確かに感じることができるものがあります。

 

私たちはきっと

 

これからも成長できるであろう、と。

 

それは長年取り組んできたもう一人の自分が

 

背中を押していることにほかなりません。

 

 

武道とは ――― 

 

日本武道館はじめ

 

10団体が構成する日本武道協議会では、

 

武道を「人間形成の道である」と

 

定義しています。

 

 

多くの人が、

 

私はこうなりたい、ああなれたらいいな、

 

という漠然とした希望。

 

夢や目標と言えるようなものを

 

心の中に持っているでしょう。

 

 

自己実現のために、

 

武道が必須なわけではありません。

 

人生のなかでさまざまな目標達成のために

 

どのような道筋を持つか、

 

道のりをたどるかは人それぞれです。

 

 

そのように考えると、

 

私たちが日々取り組んでいるものは

 

概念的な言い方ですが、

 

生きる意味を見出すことにも

 

等しいものなのかもしれません。

 

 

閑話休題

 

今回お迎えした師範、

 

日本の戦後復興期に剛柔会が

 

山口剛玄先生のもと勢いをぐっと増すなか、

 

21世紀の現代には想像もつかない

 

稽古、修練、修羅場を重ねてこられたことは

 

言うまでもありません。

 

今回もまた別のお話をうかがいました。

 

それら数々の武勇伝は、

 

もはやいまの若者には笑えないレベルです。

 

当会の会長範士からも剛柔会、

 

他流派、海外指導、商業化への反発など、

 

あまたの伝説を聞いてきましたので、

 

またいずれ折を見て、

 

可能な範囲で紹介したいと思います。