3月に入りました。
今年、早くも2カ月が経過し、
卒業、進級・進学など慌ただしい時期です。
学校の校長先生からの祝辞など、
大人たちからさまざまな言葉を
贈られる機会が多いことでしょう。
私が小学生から学生時代には、
よくこのように言われました。
「来たる21世紀は、
あなたたちの時代です」
「21世紀の日本は、
あなたたちにかかっているのです」と。
これらの言葉を聞いた子どもや
若者たちのなかで、
どれだけの人が「そうだ!」と
感じていたのでしょうか。
少なくとも、私は、
大人たちが適当に
しらじらしいことを言って
そんなに僕らに期待しているのか?
こういう時だけ
大きな調子のよいことを言って
本気でそんなこと思ってないでしょう?
と、どこか冷めたような感覚で
聞いていたように思います。
ですが、
自分たちが中堅、中軸の世代となり、
日々を生きているなかで、
あの頃、大人たちにかけてもらった
数々の言葉はその通りであると
いま感じています。
日本の経済はもちろん、
文化、芸術、スポーツなどあらゆる分野で、
あの頃、
子どもや若者であった世代が、
いまを支え、新しい道を切り開く
最前線にいるのです。
そして、また、
次の世代に
バトンをつなぐことについても、
少しずつですが、
意識し始めているように思うのです。
私たちの仲間にも、今年、
進級・進学する者、成人式を迎えた者、
社会にでる者などがいます。
私は、折に触れて、
当会の会長範士の言葉を借りつつ、
稽古の終わりに道場生に話をします。
「これから、あなたたちの時代になる」
「これからの時代は、
あなたたちがつくっていく」 と。
私は本気でそう思っています。
だからこそ、
稽古でもそのほかにおいても真剣です。
日々の面授でこそ、
伝わっているものがあると確信しています。
これからも決して甘くはない、
むしろ、これまで以上に
厳しい時代となるかもしれません。
そのなかをたくましく生きる、
しなやかな強さと
芯のある優しさを培っていくことに
着実につながるのなら
これほどうれしいことはありません。
道場生の成長を伝えるたびに、
恩師も深くうなずきながら
とてもよい表情を浮かべます。
振り返れば自分の至らなさを、
恥ずかしく思うことも少なくありませんが、
いま生かされていることに感謝をしつつつ、
これからの役割を担っていく覚悟をもって、
精進していかなければならないと
思うのです。
改めて伝えたい。
「これからの時代を支えていくのは、
間違いなく、あなたたちです」