はい、空手は関係の無い回です。
「今頃? 」と言われてしまいそうですが、昨年のノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロの作品が読みたくなりまして。
日本では、ドラマ化された『わたしを離さないで』が特に注目されていた感じですが、何となく「テレビで観たしー」 と思い、1989年にイギリス最高文学賞であるブッカー賞を受賞した、『日の名残り(訳:土屋正雄)』を読みました。
文庫本で買いましたが、書店で平積みにされている彼の作品中、一番分厚く、ちょっと怯みましたけどね。
ざっくり言うと、第ニ次世界大戦後のイギリスのダーリントンホールに勤める、執事スティーブンスが語り手として、新しい主人のファラディ氏の勧めで小旅行に行く話で、以前仕えたダーリントン卿の回想や、当時、一緒に働いていた同僚との淡い恋物語な感じです。
職務に忠実で非常に優秀な執事ながら、人としては不器用な男のお話ですが、何とも古き良きイギリスの描写が素晴らしいです。
小説ですので、当然、文字を追いかけているだけなのですが、本当にその情景が目に浮かぶようです。
これが、カズオ・イシグロなんだな と思いました。
で、読んでいるうちに、不思議な既視感のようなものを覚えましてね。
おそらく、小説を読む人は、文章から浮かび上がる登場人物や風景などをある程度イメージすると思うのです。
それでも、見た事のある外国人で〜 何となく、テレビや写真などで観たその国の風景や文化であったり、実際にその地に行った事があれば、なお鮮烈にイメージが湧くでしょう。
何だろう?
私はイギリスなんて、行った事はありません。
イギリス映画とかフランス映画とかは観た事はあります。
その何かが、イメージの基になっているのだろうと思っていましたが…
気になって、この『日の名残り』を調べてみると…
アンソニー・ホプキンス主演で、映画になっていたのです。
これ、随分と前に深夜の映画枠で観た事がある!
その頃は、たまたま点けていたテレビで観始めて見入ってしまっただけで、大した感動もなく、タイトルすら憶えていなかったのですよ。
それでも、この本を読んでいて、執事スティーブンスのイメージで私が想い描いていたのはアンソニー・ホプキンスなんですもの!
無意識のうちに刷り込まれていたのですかね(笑)
ま、映画の事はさて置き、『日の名残り』面白かったです。
他のカズオ・イシグロ作品も読みたくなりました。
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