前回の記事では、自分の言いたいことを正しく伝えるには、ストーリが大事であると書きました。

ここでいう「ストーリー」というのは、話の構造、あるいは骨組みを意味しています。たとえば、よく用いられる「起承転結」というのも構造ですし、「時系列」というのも構造です。さらに加えるなら、「結論と理由」とか、「抽象と具体」とか、「全体と個別」とか、「事実と意見」というのもそうです。

ストーリー、すなわち構造のある話をすることによって、聞いている人は、その話を理解することが容易になります。これは、たとえて言うならば、耳で聞いたことを、自分の頭の中の整理の引き出しにちゃんとしまう事ができるということです。

簡単な例でいうと、「今日はお伝えしたいことが3つあります。一つ目は…二つ目は…」と話をすれば、聞いている人の頭の中にはまず3つの引き出しが用意され、耳で聞く順番に従って、一つ目、二つ目、というように、順番に引き出しの中にしまって行くことができます。

さらに、ストーリーのある話をすることで、聞いている人は、話の先の展開が読めるということです。上記の例だと、次にくるのは「三つ目は…」ということが予測できます。

これは非常に大事なことで、予測ができることで、聞いている人に余計なことを考えさせないで済みます。もし予測を裏切ってしまって、「あれ、今は何の話をしているのだろう」と思わせてしまうと、話の内容を理解するどころではなくなって、たちどころに理解レベルが落ちてしまいます。つまり、どの引き出しにしまえばいいのかが、分からなくなってしまうということです。


そしてもう一つ大事なのは、聞く人によって、どのストーリーが一番理解しやすいのかが異なるということです。先ほどのたとえで言うなら、どの引き出しから埋めていったほうが理解が進むのかが、人によって異なるということです。

ある人は、まず結論を聞いてから理由を聞きたいと思うでしょうし、ある人は逆に、理由をひとつひとつ聞いてから結論を聞きたいと思うでしょう。また、ある人は時系列に沿って話を聞きたいと思うでしょうし、ある人は重要度や優先度に沿って話を聞きたいと思うでしょう。

つまり、相手の理解のスタイルに応じて話の仕方を変えないと、相手に正しく理解されない可能性が高くなるということです。

このようなことを日々考えながら仕事をしているのですが、言うは易しなのですが、実践しようとすると、これがなかなか難しいのです。日々是精進です。

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