これまで3回にわたって、これから10年間で起こるであろう社会の変化や、働き方の変化について書いてきました。今回が最後になりますが、業界構造や企業のありかたの変化について、考察してみたいと思います。


まず比較的短期(この5年くらいの間)に起こるであろうこととして、いわゆる総合電機メーカーというのは消滅し、それぞれ強みを発揮できる領域に特化するようになるでしょう。その結果、単独事業では勝てないと判断された事業は、撤退する道を選択するか、撤退できない場合は切り離されて専業化し、世界レベルで戦えるだけの規模になるまで、買収・合弁を繰り返していくことになるでしょう。これはもう5年近く前に、当時ドイツ証券アナリストであった佐藤文昭氏が著書の中で提唱していましたが、それから10年近くが経って、それが現実のものになると思います。


また、ネット上でのコミュニケーションの発展に伴い、広告媒体としてのマスコミュニケーションの重要性が低下し、これまで規制の下に大きな産業構造の転換にさらされてこなかったマスコミ業界(テレビ・新聞)も、構造改革や再編の動きが出てくるでしょう。


次に会社組織の機能のあり方を考えた場合、間接機能については、特にプロフェッショナル機能は外部の専門化に委託する流れが強くなるでしょう。これまでも「間接業務」のアウトソースということはありましたが、今後は「業務」だけでなく「頭脳」についても外部の専門集団に任せることが増加するのではないかと思います。


例えば、これまでは企業の内部に経営企画機能を抱えて、経営者補佐として企業の舵取りを行ってきましたが、社会の変化に応じて根本的な構造転換を図らなければならない中で、社内のリソースだけでは対応しきれなくなると思われます。既に一部そのような状況になっていますが、今後は企業の戦略策定・実行支援なども外部のコンサルティングファームに委託する場面が確実に増加するものと思われます。


また、同様にプロフェッショナル機能について考えたときに、プロフェッショナルな優秀な人材は、一つの会社に「長期に雇い入れられる」のではなくて、必要とされるときに、必要とされる会社に、個人事業主として契約を結んで働くような労働形態も現れてくると思います。


以上、いろいろと思いつくまま勝手なことを書いてきました。いかんせんお盆休みの数日間に、思考の視野を広げるために少し考えをめぐらせた限りのことですので、ある意味でたらめな妄想でもあるのですが、10年後振り返ったときに、二つ三つくらいは「当たっていた」と思うことがあるのではないかと思っています。


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