以前の記事で、事業の全体像を捉えること、戦略のストーリーを考えることが 重要であると書きました。私の場合、担当する事業の全体像をとらえ、その構造を理解するために、大きく二つの軸を使ってきました。
ひとつは「価値の軸」で、もうひとつは「損益の軸」です。時々、自分の担当する事業以外の事業のことも分析することがあるのですが、その際も、このフレームで考えると、概ねその事業の特徴や課題が浮き上がってきます。
一つ目の「価値の軸」というのは、その事業の商品やサービスがお客様に提供している価値(顧客価値)は何かを考え、それが事業の価値連鎖(バリューチェーン)のどのプロセスで実現していくのか、さらにそれを踏まえてバリューチェーンのどこを強化するのか、あるいはどう組み替えるのかを考える軸です。
二つ目の、「損益の軸」というのは、その事業がどれだけの限界利益を稼いでいるのか、商品/サービスのポートフォリオで強化すべき領域はどこで縮小すべき領域はどこか、また、限界利益に見合う固定費になっているのか、リソースは有効活用されているのか、というような観点で考える軸です。
ちなみに、「価値の軸」と「損益の軸」をつなげるのが「プライシング(価格設定)」です。自分たちが提供している価値を正しく見極めながら、それに見合ったプライシングができているかによって、損益の軸は大きく影響を受けます。
この2つの軸のうち、「損益の軸」、つまり限界利益と固定費の関係 については以前の記事でも書きましたので、今回は「顧客価値」と「バリューチェーン」について、詳しく書きます。
お客様が、自社の提供する製品やサービスに対して感じ取っている価値を「顧客価値」と呼んでいますが、事業において、この「顧客価値」を正しく認識できていることは稀です。
自分たちがお客様に提供している(と思っている)価値が顧客価値というわけではありません。自社が提供している価値と、お客様が感じている(対価を払っている)価値が異なっていることがほとんどなのですが、まず、それに気づくことが第一歩となります。
ここからが重要なのですが、少し長くなりそうなので、続きは次回の記事で書きます。
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