小型惑星探査機「はやぶさ」の帰還は久々に夢を与えてくれるニュースでした。正直、このようなプロジェクトが進んでいること自体、ついこの間まで知りませんでした。そういえば、何年か前に小惑星に探査機が着陸したというようなニュースがあったな、という程度の認識でした。


宇宙開発といえば、国際宇宙ステーションや、スペースシャトル計画など、米国が進める華々しい計画に目が行きますが、今回のように「小型・軽量で低コスト」という分野は、本来的に日本が得意とする技術分野であり、幾多の困難を乗り越えてのプロジェクトの成功は、まさしく偉業ですし、日本の製造業の技術力の高さの証明となりました。


今回の立役者となったNECのホームページで「はやぶさ」に関する特集が組まれていたので興味深く呼みました。


電源系・姿勢制御系・通信系など、プラットフォームの多くを一から開発し、小型ロケットから打ち上げるために510kgという重量に収めたこと、軌道修正用のエンジン故障にも関わらず、残ったイオンエンジンで姿勢制御し、目的地にドンピシャでカプセルを帰還させたこと、またどんなトラブルがあっても機転を利かし最後まで帰還をあきらめなかった技術者のこだわり、それを支えた設計時のフェイルセーフ思想など(姿勢制御が崩れた際にでも最後は太陽電池パネルで光を捉えられる軸に回転が収束する設計など)、思わず読み入ってしまいました。


ただ少し心配なのは、今回のプロジェクトで獲得したノウハウを、はたして次の世代に継続的に引き継いでいけるのか、ということです。


このようなプロジェクトは天体の位置関係により、実施できるタイミングが決まってくるようです。次は2014年から2015年頃、それを逃すと次はそのさらに5年後くらいになるようで、計画的に開発をすすめなければ、ノウハウの伝承が難しくなります。


宇宙開発の分野の成果が目に見えて現れてくるには、それこそ10年、20年という歳月が必要です。事業仕分けで予算が縮小され、はやぶさ後継機の製造に着手できなかったようですが、このような分野こそ、前回の記事で書いたように政治的主導でもって、継続的に技術開発・人材育成を行うべき分野だと思います。


先日の記事で(⇒こちら )「なぜ製造業は人気がないのか」と書きましたが、このようなニュースをきっかけに、今の子供たちが科学技術に対して夢を持ち、製造業に対する関心が高まっていけばいいなと思っています。