前回に引き続き、ファイナンスに関する記事です。徐々にややこしい話になってきますが、今回書くことが、経営においては肝となることなので、なるべく丁寧に書くようにします。
これまでの話を整理すると、以下のようなポイントとなります。
・将来のことは「不確実」である
・「不確実であること」を表すのが「リスク」である
・時間の経過とリスクの度合いに応じた価値(時間に対する対価)が発生する
具体例で言うと、今1万円借りたとすれば、それを返す時、元金である1万円に、時間に対する価値(=利子)を上乗せして返さなければならないこと、その利子の金額は、リスクの度合いと借りている期間に応じて異なる、ということです。
さてここで、視点を逆にしてみます。つまり、現在の価値が将来いくらになるかを考えるのではなく、将来にある価値が見込まれているものが、現在どの程度の価値を持つのかを考えます。
たとえば、年率1%の利子がつく預金をすれば、現在の1万円は1年後には1万100円になります。ここで視点を逆にすると、1年後の1万100円は、現在の価値では1万円であるということです。見かけの金額は違いますが、この両者は時間価値を考慮すると、同じ価値となります。
このように、将来の価値と同じ価値となる現在の価値を「現在価値(Present Value:略してPV)」といいます(そのまんまですが・・・)。「現在価値」を計算するためには、将来の価値を「割引率(Discount Rate)」で割り返します。割引率はリスクの度合いを表していて、利率と表裏一体の関係にあります。
ちなみに「割引き」というと何だかお得な感じがしますが、得も損もしていません。上にも述べましたが、あくまで時間的価値を考慮して、将来の価値と今の価値が「等価」になるようにしているだけです。
この「現在価値」「割引率」という考え方をよく用いるのは、投資評価や企業価値(事業価値)評価においてです。これについては、次回の記事で書きます。
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