前回の記事で、ファイナンスの基本概念である「時間価値」と「リスク」の考え方を書きました。(→こちら 。まだ読んでいないかたは、基本概念を理解するためにも、この記事を読む前にぜひ読んでください)


その中で、ファイナンスの基本的な考え方として「将来において確実なものは何もない」と書きましたが、これはちょっと極端な言い方で、実際は、リスクの限りなく低いものを、実質上「無リスク(確実である)」とみなしています。


通常「無リスク」であるとされる資産は、10年物の長期国債です(厳密に言えばインフレに伴う価値低下のリスクは含まれています)。国の信用は非常に高いので、国が約束を破るというリスクは非常に少ないということです。ただし、これはお金のことであって、政府が政権公約を破るとか破らないとか、そういう政治絡みの話とは全く関係ありません。


もし国が約束を破って国債を返せないとなると、その国は財政的に破綻したことになり、国際的にその国の信用は一気に低下してしまいます。(ちなみに、国債などの債権を返せないことを「デフォルト」といいます。コンピューターの世界でいう「デフォルト(既定値)」とは意味が違います。)


さて、話を戻すと、無リスク資産以外のものは、多少なりともリスク(不確実性)があるということです。そして、前回の記事で書いたように、リスクの大きさに応じて、時間に対する価値(対価)が異なります。俗に言う「ローリスク、ローリターン」あるいは「ハイリスク、ハイリターン」ということです。


そのように考え方時に、「ローリスクハイリターン」のような話に乗ってしまう愚かさがわかるかと思います。もし、本当に「確実に儲かる」という話であれば、上記の無リスク資産以上のリターンを期待してはいけません(10年物で年率1.30%くらいです)。もし、それ以上のリターンがあるという話ならば、それ相応のリスクが含まれていると覚悟しなければなりません。


前回の記事でも書きましたが、いわゆる「悪徳商法」のような話に乗ってしまわないためにも、ここに挙げたようなファイナンスの基本理論を学校教育でしっかりと教えるべきだと思っています。


もう少しファイナンスに関する話を続けたいと思いますが、続きはまた次回の記事で書きます。



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