前回の記事(→こちら )では、「0123(=アート引越センター)」「パンダ(サカイ引越センター)」「アリさん(引越社)」の比較をしましたが、そこで気付いた以下の点について考察をしてみます。
1)アートとサカイの利益率の差
決算短信をみたところ、以下のようになっていました。
アート: 製造原価比率:72%、 販管比率:22% → 利益率 6%
サカイ: 製造原価比率:59%、 販管比率:30% → 利益率 11%
(比率はすべて売上高比)
初めの記事(→こちら )に書いたような、作業方法の違いが原価に表れているのかなどとも思ったのですが、残念ながらこれ以上のことはわからずです。
2)従業員数の差
前回の記事でも書きましたが、従業員数は引越作業員のどの程度の割合を自社従業員としているかによって大きくかわります。そこで、売上432億円のアートに必要となる総人員規模(外部の作業員含め)を、以下のように推定してみます。
まず、1回の引越の平均単価を15万円と仮定します。そうると、1日の引越回数は
432(億円)÷365(日)÷15(万円)=約800回
となります。ただし、これは総平均なので、月末の週末などのピークになると、この2倍くらいの引越件数があると仮定します。そうすると、ピーク時は1日約1,600件の引越があることになります。
そうすると、1件に1台のトラックが必要とすると、当然ピークにあわせてトラックを用意する必要がありますから、1,600台のトラックが必要となります。アートのトラック台数が1,800台ですから、ほぼこの推定があっているということでしょう。つまり、トラック台数から必要人数をはじき出すと、それなりの精度で必要人員がわかりそうです。
引越一回(トラック一台)あたり、だいたい3名の作業員がついて作業にあたりますので、トラック保有台数×3人を必要人数と仮定すると、5,400名の作業員が必要ということになります。
このように、保有するトラック台数×3名というロジックで他の2社も計算し、実際の従業員と比較すると、次のようになります。
アート・・・必要作業員=約5,400人(従業員数:1,700名)
サカイ・・・必要作業員=約5,700人(従業員数:2,900名)
引越社・・・必要作業員=約3,900人(従業員数:4,300名)
こうやってみると、引越社は、ほぼ100%自社従業員が作業にあたっていることが予想されます。サカイは約半数が自社従業員のイメージ、アートは約1/3が自社従業員というイメージになります。
自社従業員比率とサービスレベルの相関はわかりませんので、一概に自社従業員比率が高いほどいいなどとは言えませんが、3社で大きく違う戦略を持っていることがわかります。