出張でよく利用する地方空港の搭乗待合室に、最近、京急の券売機が設置されました。羽田空港からの切符が買えるようになっています。私が乗る便の乗客で誰か買うかなーと思ってみていたら、1人だけ買っていました。

そもそも何で券売機を設置するのか、広告を設置するだけでもいいのでは?、と考えましたが、確かに他の選択肢がない(モノレールやバスの券売機はない)ですので、通常の広告よりも、切符を買うという「行動」に結びつきやすいというメリットはありそうです。もちろん、地方空港の殺風景な待合室に券売機があることは非常に目立ちますので、純然たる広告としての効果も持ちます。


ただ、これで元が取れるのでしょうか?どのくらいの人が利用すればよさそうか、試算してみます。


コストについては、券売機本体のコスト(償却費)、空港での設置料、あと、保守(切符用の紙の交換など含め)をどこかに委託しているはずなのでその委託料を考え、ぞれぞれについて、以下のような前提を置きました。


<前提条件>

・券売機本体価格:300万円、耐用年数:5年
・設置スペース:1平方メートル
・空港スペースの設置料(電気代込み):1万円/m2/月
・保守委託料:5万円/月

これで月々のコストを計算してみます。


<月々のコスト>

・償却:300万円÷5(耐用年数)÷12(月)=5万円/月
・設置料:1万円/月
・保守委託料:5万円/月

ざっと見積もって、月10万円くらいのコストになりそうです。


一方で収入ですが、羽田空港-品川間は400円ですので、平均収入として400円/人とします。得られた収入を、すべてこの券売機の回収にまわしていいとして、コストと平均収入から単純計算すれば、250人/月(一日10人弱)が損益分岐点になります。


ただし、この計算はこの乗客が「純増」の顧客であることを前提としています。つまり、本当はモノレールやバスを利用しようとしていたのだけれど、この券売機に触発されて、京急の切符を買った人でなければなりません。ただ単に、羽田空港で切符を買う代わりに、ここで買っていたのでは上記の「すべてこの券売機の回収にまわしていい」という前提が崩れます。


一日10人というそれほどハードルは高くないように思えますが、この空港は一日4便しか就航していませんので、私がたまたま見たように1便当たり1人だと、損益分岐点に達していません。長続きするかどうか疑問です。


ちなみに、この試算の「正確性」は重要でなく、考える「前提条件」「プロセス」を示しているだけです。なので、前提条件(たとえば券売機の値段や保守料など)が違えば計算結果は当然変わりますが、「おおよそ」を理解するには十分でしょう。