電車に乗ったとき、久しぶりにかつての仲間に会った。
名前は、あーちゃんとしておこう。
斜めの文字だから、女の子だ。
あーちゃんとは、昔自分がいた団体で知り合った。
自分が高校2年の夏だった。
あーちゃんは、当時中学2年生。
その時に思ったのは、まじめな子という印象。
団体の中心に立って、物事を進めていた。
外見についても、結構かわいらしくて、特に笑顔が良かった。
そんな印象もあったけど、時にはいじわるなところも。
時には、あーちゃんに昼食をおごらされたこともあったっけ。
それでも許していた自分がいたのは、まじめな子、という印象があったから。
自分が団体を“定年免職”したのが、今から3年前の春(高校卒業と同時)。
その前から、自分もあーちゃんもあまり来なくなっただけに、ほとんど会う機会がなかった。
あーちゃんは自転車通学で、隣町の高校に行っていると言う話もあるから、会えないのも仕方がないか。
あーちゃんも高校3年生。今年で卒業だ。
もしかしたら、あーちゃんは大学受験の帰りだったかもしれない。
電車の中では、あーちゃんは携帯電話を使ったり、本を読んでいた。
自分も、携帯電話を使っていた。
おばあちゃんたちが隣に座った時には、あーちゃんのかわいい笑顔が見られた。
もちろんこの間、全く話をしなかった。
あーちゃんは、自分が利用する駅で降りた。
それならということで、久しぶりに声をかけようかと思った。
が、なかなか声をかけられなかった。
改札の前で、あーちゃんと目が合っても、全く声がなかった。
忙しいのは分かるけど、何か話をしてもいいんじゃないの、と思った。
「かつてのなかま」なんだから。
3年という月日は長かったと、改めて感じた。