本日の“日刊・今日の浜”で書いた惨事について、小説のようにまとめてみました。
それではどうぞ。
「あれからもう3年経ったのか。」自分は部屋にあったディープインパクトのカレンダーを見ながら呟いた。3年前というと、ネオユニヴァースやスティルインラブが走っていたが、もう彼らはターフの上にはいない。テツandトモやダンディ坂野が一世を風靡していたが、今ではあまり見ない。それほど懐かしく感じる人が多いが、自分はこの惨事について、懐かしいとは全く感じない。何故なら、自分は“あのこと”で、とても大きな傷を負ったのだから。
当時、自分は高校生で、10年以上に亘る学校生活の中で初めて、室長(学級委員や級長と言えば分かるだろうか)と言う重要な仕事をしていた。自分は「全員がクラスの行事などに参加できるクラス」を目指し、日々がんばっていた。そんな中で気になった女子がいた。仮名をつけようとしてもいい言葉が浮かばないので、ここは皮肉をこめて“ヤツ”と呼んでおこう。
ヤツはクラスの女子の中でいちばん背が低かった。そして、体育以外のすべての授業で、自分と同じ先生の授業を受けていた。地理の授業では近くの席にいたし、前の年に自分と同じクラスだった女子とよく話していて、自分にとっては名前を覚えやすかった女子の1人であった。
自分がヤツに対して恋心を「持ってしまった」のは、たまたま全員が体育館に集まったときの体育の授業だった。体育館で走ることがあり、自分が走った後に座っていると、自分の近くでヤツが一生懸命走っていた。それを見て、自分はヤツに恋心を持ってしまったに違いない。
それからと言うもの、自分の視線はヤツの方へと向いていた。黒板がヤツの先にあったのでこれがばれてしまうことがなかったが、視線は間違いなくヤツの方へと向かっていた。
数週間後、席替えをした。その時には、自分はいちばん後ろの席になった。このことは、視力が悪かった自分にとって、約4年ぶりのことだった。しかし、それ以上に嬉しかったは、ヤツが隣にいたことだ。これは大チャンスに違いない、その時、自分はそう思った。当然、その時には彼女がいなかったのだから…。
それから数日が経ち、修学旅行が始まった。1日目の夜、男子で話していたときに、自分はヤツが好きなことを仲間に話した。すると、仲間のうちの1人から、「ケータイの番号を聞きにいくか」という誘いがあった。当然、自分はその誘いに乗った。
翌日、なかなか踏み出せなかった自分は、前日に自分を誘ってくれた仲間たちとともにヤツが泊まる部屋へと行った。先日このブログで書いたTakaの誕生日が、その翌日に控えていたこともあり、自分はそれを祝うドッキリについて、ヤツたちに連絡することを兼ねて、携帯電話の番号を聞きに行った。いきなり押しかけていったのでヤツたちは驚いていたが、電話の番号とメールアドレスを聞きだすことができた。その後の自分はかなりのハイテンションになっていた。ただ、そこで告白することは考えることはなかった。
修学旅行が終わり、普通の生活へと戻った。ヤツはいつものメンバーといっしょに過ごしていて、一方の自分も普段のメンバーと、普段と変わらない生活をしていた。しかし、自分には希望があった。「オレはヤツのことが好きだ。ヤツと付き合いたい!」という希望だった。
そんな中、少しずつそんな関係が狂っていくような出来事があった。英語の授業が終わり、自分が友人とホームルームへと帰っていく時、ヤツたちが自分の前を歩いていた。そこは屋上のようになっている渡り廊下で、その時は少し風が吹いていた。なので、風が吹いた時にヤツのスカートが不意に捲れてしまった。あえて書くが、ヤツのスカートの中は白のパンツだった。その時自分たちは話しながら歩いていたが、ヤツのスカートの中が見えた時には、話を中断してしまうほど驚いた。それを見ていたのがばれたのか、自分たちはヤツに睨まれてしまった。
それからというもの、自分はヤツにメールを送ったにもかかわらず、ヤツからはメールの返事が返ってこなかった。向こうが話しかけてくることもなかった。
それなら仕方がないと、自分はヤツに告白することを決意した。そこで前日に、自分はヤツにメールを送った。「明日、教室に残ってて。話がしたいんだ」と。自分にとっては、人生で初めての告白となるはずだった。前夜は、翌日に模試を控えていたにもかかわらず、一睡もすることができなかった。それほど緊張していて、うまく話すことができるか心配になっていた。
ところがだった。翌日、自分の目の前をヤツがその友人と歩いていく姿があった。ヤツは自分の頼みを裏切ったのだ。せっかく告白の言葉を考えたのに、せっかく当日は教室に残っていたのに、せっかく自信満々で初めての告白をしようと思っていたのに、ヤツは自分を裏切った。
それからと言うもの、自分はヤツが落としたプリントさえも拾ってあげないというほど、ヤツのことを無視した。英単語や古文単語のテストで、答え合わせをするときには、先生に怒られないようにと仕方なく答えを交換していたが、それ以外は無視し続けた。ヤツを睨みつけることもあった。ヤツに対して、自分から体当たりをすることもあった。自分にとっては、謝っても許してやらない、という感じであった。無論、明日ヤツが自分の家に謝りに来ても、絶対に許してやらない。それどころか、罵声をかけるかもしれない。
その後自分は、告白することに対してとても不安になっている。理由は簡単だ。告白がうまく行くか、ではなく、相手に裏切られないか、と言うことである。一種の人間不信である。あの惨事から3年が経つのだが、それについては全く改善が見られない。自分で頭を抱えてしまうほどである。
いかがだったでしょうか?
これについては、何度もラジオに投稿しています。
自分にとっては、あの“失意の浜”を超えるほどの不運です。
“ヤツ”の粗暴さについて、またこの惨劇についての感想、並びにこの自分の状況を打破する方法があれば、コメントに残していただければと思います。
長文、失礼致しました。