こんにちは。今日の富山はちょっと寒いです。

午前中から雪が降り始めました。

仏教と聞くと、葬式や法事のイメージがあります。

なにやら、わけのわからないお経を読むのは、死んだ人の供養のため、と思っている人もあるようです。

しかし、お釈迦さまは、そのようには教えておられません。

こんなエピソードを紹介しましょう。

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頬をなでる風が心地よい。

乾季の訪れとともに秋の気配が精舎に満ちる。

その日、修行者は幾人かの仏弟子と、先日のご説法について話し合っていた。

仏陀の懇切なご教示は、いつも感動を呼び起こす。

同時に、あまりにも深い法話が、たびたび大きな疑団を生じさせた。

それを仲間と語り合うのが、彼の大事な日課であり、喜びだった。

自然と議論は熱を帯び、彼は一層、身をのり出して語った。

その時、一人の弟子がふと口にした疑問に、修行者は思った。

"そういえば、自分も同じように問われて戸惑ったことがある。釈尊はどのようにお答えになるだろうか"

「次にお会いする機会に、ぜひお尋ねしようではないか」

皆で相談し、その日は散会した。


数日後、釈尊が精舎に来られたと聞いた彼は、ほかの弟子たちと仏陀の控室を訪れた。

質問の許しを請うために、彼は恭しく礼拝し、お伺いを立てる。質問は許された。

「世尊よ、長い経文を読んでもらったら、地獄に堕ちている者でも極楽へ往けるという人がありますが、本当でしょうか?」

聞き終わられるとお釈迦さまは、無言で立ち上がられた。

修行者が仲間に目くばせする間にも、釈尊はゆっくりと部屋を出られ、精舎の外へ歩まれる。

戸惑いながらも友を引き連れ、彼はあとに従った。

庭には池がある。

黙然とその淵に立たれると、仏陀は拳ほどの石を手に取られ、中へ投げ込まれた。

小さく水しぶきを上げ、石はみるみる沈んでいく。

波紋が小気味よく広がり、池全体を同心円が覆ったころ、釈尊は静かにおっしゃった。

「そなたたち、この池の周りを、石よ浮かび上がれ、石よ浮かび上がれと言いながら回ったら、あの石が浮かんでくると思うか」

"まさか"。

修行者は法友たちと顔を見合わせ、申し上げた。

「世尊、そんなことで石が浮かぶはずがありません」

池に目をやると、水面は徐々に静まり、石はすでに影も形も見えない。

「そうだろう。石は、石の重さで沈んでいったのだ。どんなに浮かび上がれと言ったところで、浮かぶものではない。
 人は、己の過去に造った悪業によって、悪因悪果、次の世界に沈むのだ」

"読経や儀式で死人の果報が変わるはずがない"

修行者は、唇をぐっとかみ締める。

得心したように、ほかの弟子たちもうなずいた。

ぴょんたのひまわり日記 from Japan!!-石よ浮かび上がれ.GIF



死後、浮かぶか沈むかは、本師本仏の本願に救われているかどうかで決まる。

弥陀の本願に救い摂られ、往生一定と魂の解決ができたならば、読経や葬式などは問題にならなくなるのだ。

「生きている今、弥陀の本願に救い摂られるのが仏教の目的」

仏陀はそう教えられたのである。

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お経は、お釈迦さまが生きた人にされたご説法の記録です。

死んだ人にお経を読んでも、聞く耳がないのですから、意味がありません。

生きている私たちが、聞かねばならないものなのです。

(もちろん、どんな意味なのかは、ちゃんと聞かせてもらいましょうね)


■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■

科学技術が長足の進歩を遂げたと言っても、幸福といういちばん大切な問題については何の進歩もないことを、心理学者のチクセントミハイは『フロー体験』の中で、こう言っています。

「2300年前、アリストテレスは、男女を問わず人は何にもまして幸福を求めるものだという結論を得た。

 幸福がそれ自体として追求される一方、幸福以外の目標

―― 健康になる、美しくなる、金持ちになる、権力を得るなど――

 が高く評価されるのも、それらが我々を幸福にするという期待があるからにほかならない。

 時代はアリストテレスのころから大きく変わった。

 星やアトムの世界についての我々の理解は、信じられないほど拡大した。

 今日の人間や、人間が現在行使しているさまざまな力と比較すれば、ギリシャの神々など頑是ない子供のようなものである。

 しかしこの間、幸福という最も重要な問題についてはほとんど何も変わっていない。

 我々は幸福とは何かについてアリストテレス以上に理解しているわけではないし、この至福の状態に至る方法についての知識は、まったく進歩していないといえよう」


私たちにとって最も重要な「幸福」というテーマについて、どんな議論をしてきたでしょう?

どんな学習をしてきたでしょう?

どんな反省を、日々しているでしょう?


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 ぴょんたの
  ひまわり日記
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[発行人]
森安秀邦(ぴょんた)

[Profile]
昭和50年4月13日、ロンドンで生まれ、5歳で日本へ。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯(笑)
小学生のときは、サッカーに没頭。
中学時代は、香港で過ごし、
高校時代は、陸上部(種目は400mH)でした。
スポーツも好きですが、美術系も好きです。
大学は工学部環境工学を専攻してました。
ベイクドチーズケーキと肉ジャガが大好物。
職業は、仏教(浄土真宗)の講師。
浄土真宗親鸞会の講師として法話や勉強会などで話をしています。

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