今年も、国民スポーツ大会のスキー競技会が終了した。
選手としては、16歳から、そしてスタッフとしても5年ほど続けているので、もう何年この行事に関わっているのかな…
私が所属するチーム兵庫は、今年は、入賞者を出すことができなかった。
年齢で区切られた各カテゴリーに100名を超える選手が出る。
優勝は、このコースを最も早く滑り降りた人であり、もちろんその人は文句なく勝者である。
であるなら、それ以外の人はすべてが敗者となるだろう。
うちのチームメンバーを自分の力を出し切れなかったと悔やむものも多かった。
かつての自分も、そのコースを滑り降りてもっともタイムが小さい人が勝者であり、それ以外は敗者だと考えていた時期があった。
上のカテゴリーを目指せば目指すほど、勝利からは遠のき、自分の力の至らなさに失望した。
しかし、今年齢を重ねて思うことは、誰もが勝者となれるということだ。
その人の生い立ちの中では様々な障害がつきまとったであろう。
例えば、沖縄から出場している選手もいるが、どう考えたって、沖縄で雪は降らないので、県内で雪上でのスキーをやることは不可能だ。
でも、その人たちも時間やお金をやりくりしながら県外でスキーができる環境を求めて練習を積んだであろうし、そういう不利な条件を克服したという意味では最も勝者であったのかもしれない。
タイムだけを見れば、ひとりの勝者しかいないが、子育てしながら戦った人、体にハンディを持ちながら戦った人、いろんな条件を当てはめていけば、100通りの勝者は生むことができる。
戦い終り、くやしさで顔を涙で濡らした人も多かった。
でももっと自分自身はよくやったのだと認めてあげよう…
人がそういった様々な困難を乗り越えながら頑張りぬいたことではみんなが勝者なのだ。