天命に生きる | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。



最近、私個人だったり、会社でいくつかの不動産を買ったからなのか…

 

建物を手放したい…

ついては、ニシムラさん買っていただけないだろうか…

 

という相談をいくつかいただいている。

 

ここで詳細を明かすことはできないが、かなり破格の値段だったりする。

 

世の中には、不動産をいわゆる金融商品の一つとして、安くで仕入れ、いかに高く売るか…ということを生業としている人も多いが、私自身は、あくまで不動産は生活のための手段であって、それをむやみやたらに買ったり売ったりということにはまったく興味がない。

 

私が住む地域は田舎だからということもあるが、安くで仕入れたとて、それを高く売るほど需要があるようにも思えない。

 

私が不動産を購入するときに考えていることは、その不動産が地域にとって、そこで暮らす人々の生活に潤いをもたらすものであるかどうか…、もし、そこまでには至らなくとも、地域に悪影響が限りなく及ばないようにしなくてはいけない…ということである。

 

昨今、円安の進行で、海外から日本の不動産を購入する案件がかなり増えていると聞く。

 

その最たるものが、インバウンドが地域経済に好影響をもたらしたといわれるニセコの例だ。

 

地域に人が流れ、経済がまわっていくことはいいことだ。

だが、先日のニュースでは、ホテルやコンドミニアムが増え、それに伴って人も多く移住してきているが、リゾートであるがゆえ、ホテルでの高給な仕事の多くは外国人が占めていて、もともといた地元の人も働く場所は増えたものの、言葉の問題が、たちはだかり、裏方の時給の安い仕事しか得ることができないという。

それでも地元の一般的な時給よりもはるかに高い時給で働くことはできるため、もともとあった地域の介護事業所などの人材が、インバウンドリゾートの方に取られて事業所がなりたたなくなり、閉鎖してしまったところもあるという。

 

これが果たして成功と言っていいのかどうか…

 

日本の田舎は閉鎖的だと批判を受ける。しかし、地域には、住民どおしが協力しあいながら、生活をしてきた歴史があり、それはいい意味でも悪い意味でも、ある一定の秩序を作り出している。

 

イノベーションは大切だが、それによって地域が崩壊することがあってはそれは本当のイノベーションとは言えないだろう。

 

個人の不動産は、個人の資産であり、誰が売っても買ってもいいとはいうものの、地域の一定の秩序は保ってこそなのだと思う。

 

人は誰もが平等であり、どの親から生まれようが、どこで生まれようが、本来は平等であるべきである。

 

しかし、生まれながらにして、格差があるとする現実はあるだろう…。

 

ただ、私は、人には天命というものがあり、どういう運命で生まれてきても、それを受け入れていくべきものだという思いもある。

 

一般的には都会は恵まれた場所で、田舎は恵まれていない場所という認識がある。

 

しかし、ひとによっては、一般的に言われる何もないというところが、人間らしさを取り戻したりするのには最適であるかもしれないし、そもそも何もないというのは、いわゆる物質経済的なものが一般的にないといわれるのであって、田畑、山林、山川海それらはあるのだ。

 

私は生まれてきた場所は、たとえ不利な条件のようにみえても、見方を変えることで天国のような場所に思えたりすることがあると思っている。

 

地域がもつ特性を最大限に活かしきることができた場所は、最高の場所だ。

 

だから、そこにある空き家のようなものもそれは最高の資産になると私は信じている。

 

それが地域に生きるものの天命だと思う。