世の中には、すばらしい人はたくさんいるが、交番のフジワラさんは、本当に尊敬すべき人だった。
交番勤務のお廻りさんは、何年か一度に交代になり、新しい方が赴任される。
4年前に、地元の交番にやってきたのがフジワラさんご夫妻だ。
子ども達の通学には、必ず通学路にたって、子ども達の安全を見守ってくれた。
フジワラさんは非番の日も、立ってくれていたそうだ。
そして、地域の人の防犯意識を高めるために、自費で、ミニコミ誌をつくり、毎月地域の人に配っていた。
いつも優しく声をかけてくれて、本当に地域の安全を守ることに徹してくれていた。
フジワラさんは、志願して、交番勤務になったと聞いた。
あれだけ地域に寄り添ってくれた人を他に知らない。
残念ながら、この3月で、任期を満了し、他の場所に転勤となってしまった。
何年か前には、その活躍が認められ、日本で優秀な警察官として表彰も受けられたようだ。
そして、そんな活躍を上司もほってはおかず、晴れてと言っていいのかわからないけど、栄転されたと聞いた。
『プロフェッショナル』を語るとき、一般的には技術的に高いとか、サービス品質が優れているとかあるけれど、フジワラさんは地域の安心に徹する意味では真のプロフェッショナルだと思った。
警察官の宿命、何年かすると、転勤をせざるを得ない。
ついにこの3月その時がやってきてしまって、僕は本当にさびしく思った。
でも、きっとこんな警察官がいてくれれば、きっとかの地でも安心安全な社会を広げてくれるに違いない。