日本電産という会社を知っている人は多いと思う。
京都に本社のある、あらゆるモーターをつくっている、売上1兆円越えのすごい企業だ。
そのCEO永守重信さんは、猛烈に働くCEOとして有名なのだが、一方で、私財百億以上を投入し、京都先端科学大学の理事長も務める。
永守さんが京都先端科学大学の理事長に就任する前、京都学園大学という大学だった。
『日本が国際的な競争に勝つためには、世界水準の実戦力を備えた人材を育てる教育機関を自分の手で作らなければならない』という考えのもと大学改革に乗り出しそして改名までしたのだが、そのときに京都学園大学をつぶさに見学して回っていたらしい。
学生が授業中に居眠りをする風景をみて永守さんは
『教授の授業がつまらないから学生は寝てしまうのだ』
と思ったのだそうだ。
私は、はっとした。
私が、同じ立場で学校をみてまわったら、きっとこう思うだろう。
『学生は何やってるんだ、しっかりと授業を聞け!』
会社の業績があがらないのも、地域が生き生きしていないのも、家庭がうまくいっていないのも、すべては自分。
人に責任をなすりつけた時点で、言い訳しか出てこなくなる。
しかし、すべてが自分の中にあれば、どうすれば業績があがるように努力できるのか、どうして地域が生き生きとできるようにできるのか、家族が円満にいくのか…
解決策は自分の中にあり、努力をするだろう。
その違いに、私自身の情けなさに愕然とした。