社会は開疎化に向かう | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

 

 

先日、たまたま拝見したNewsPicksのweekly落合での安宅和人さんの言葉が強烈に突き刺さりました。

僕らが進む道は決して間違っていないんだ…という希望を感じました。

 

最近、メディアや友人たちが各地のロックダウンの状況を教えてくれるわけですけど、コロナウイルスで最もダメージを受けているのは、間違いなく『都市』です。

 

仕事に出かけることが『自粛』の名のもとに制約されているだろうし、休日ともなればなおさらです。

『自粛』に耐えきれない人が、気晴らしででかける公園でさえも、密が発生し、多くの人からの非難を受けるという始末。

どこかに出かけることが『悪』になっているわけですからね。

 

都市が作り上げた悲劇と言えるのかもしれません。

 

それに対して、田舎に住む私自身の日常は、それほど大きくは変わっていません。

 

いろいろな会合が中止になって、集まる機会が減っていることぐらいでしょうか?
人口100人ちょっとぐらいの小さな村で生きているので、外を出歩いていても一日に他人にまったく会わないことも日常茶飯事です。

 

一応気持ち的には自粛な感じである程度はふるまっているけど、人に接触することがないわけですから、行動そのものはそう大きく変わらないわけです。

 

先日も、インターハイが中止になり、運動部に所属するすべての高校生の夢が絶たれてしまいました。

インターハイ開催は7月末なわけですけど、3か月先の行事も中止せざるを得ないこの状況を考えると、当面、この状況が終息することはないということなのでしょう。

 

都市で生きていることがどんどんと息苦しくなっていく社会。

私自身は、もともと人混みがきらいだったので、そんな場所に出かけるのはたまでいいと思っていましたけど、おそらく多くの人が、都市で生きることの息苦しさを感じていることなのだと思います。

 

コロナウイルス禍が過ぎたあと、きっと、もう2度とこんな生活に戻りたくない…もっと自分らしく、生きていきたいと考える人は増えてくるはずです。

 

そうなると、田舎で生きる価値ということがもう一度見直される時代がやってきます。

 

これまで政府が血眼になってすすめてきた地方創生、つまりは東京一極集中の是正がいとも簡単に実現してしまう社会ができあがってしまうような気がします。

 

そして、オンラインミーティングや、テレワークに代表されるように、人々は、集まらなくても対話し、物事を決め、世の中を動かしていく術を急速に身に着けてきています。

 

公立の学校教育も止まっていますが、それを動かすためにも、もうそれを社会が導入してやっていくしかありません。

もし学校教育がそうなれば、子供たちは、小さなころから習慣として、何の違和感もなくテレコミュニケーションを身に着けたいわゆるテレコミュニケーションネイティブ世代になります。

 

10年後、人口密集地で暮らすメリットが薄まっていく社会になっていくはずです。

そういったインフラや人々のマインドが整ってきた今、人らしく生きていける場所は、やはり自然の中です。

自然の中でのびのびと暮らしつつ、人の知恵を結集し、さまざまな問題を解決していく社会。

 

コロナウイルスの蔓延によって苦しい生活が強いられていますが、それが終息する社会は、実はすばらしい未来があるのではないか…

安宅さんの『開疎化』の理論はそう思わせる内容でした。