リスクアセスメント | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。

私は普段建設業を軸に活動しているので、業界として安全に関する関心はかなり高いほうだと思います。

 

それは、労働災害の発生は、建設業界がかなりの割合を占めているからです。

昨年、兵庫県で労働災害によって死亡した人の数が14人、そのうち建設業が5人、割合にすると35%と一番多いです。

令和元年(平成31年) 死亡労働災害発生状況

 

なので、わたしたちの業界団体もことあるごとに、安全に関する行事を開催し、啓発活動にも努めています。

 

その中で学んでいることの一つが、リスクアセスメント。

リスクアセスメントとは、潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するため手法です。

 

リスクアセスメントでは、リスクに関するさまざまな要因を見つけ出し次々と列挙していきます。

まずは列挙すること。

 

例えばグループで、現場で発生しそうな事故を次々にあげていきます。

それは、死亡災害といった重大な災害から、擦り傷、切り傷と言った軽度のものまで、ありとあらゆるリスクをあげていきます。

 

次に、そのリスクに関し、時間やお金もかかるもの、時間もかからないし手間もかからないものなどさまざまですが、取り除かなければならないリスクに優先順位をつけて、それを実行に移し、次々につぶしていきます。

 

『リスクをつぶす』と一言でいっても、マンパワー、予算など、さまざまな制約があり、それらをすべてつぶすことは不可能です。

だから、優先順位をつけていくのです。

 

このリスクアセスメントの考え方は、単に安全に関するものだけではありません。


ありとあらゆる活動に適用できるものです。

 

私が再三、今回のコロナウイルス騒動に対して、あらゆる集団活動をストップすることに苦言を申し上げているのも、この考えに基づいています。

 

集団活動が制限されると、経済やそれによって生み出す効果が止まります。

 

だから、コロナ感染者を増やさないことで、病人や死亡者を減らすことにつながりますが、一方で、それらによる弊害をたくさん生み出していくのです。

 

だから、政府も自粛の『大規模な』集まりの程度については、各組織に委ねています。

すべての集まりを止めると、世の中が大混乱をきたしていくからです。

 

大相撲は無観客試合をするということで、相撲界の継続発展のリスクを最小化させる選択をしました。

プロ野球やJリーグは延期をして、それらを最小限におさえようという選択をしました。

またあるところは中止をすることでリスクを最小化することを選択しました。

 

そして、政府は学校に休校の要請をかけました。

しかし、その弊害にはリスクの『度合』というものがあります。

 

今朝の新聞に、香美町の小中学校は、来週から学校を再開する判断をくだしたという記事が載っていました。

香美町の学校は、集団とはいってもその規模は小さいですから、リスク発生は他に比べるとはるかに低い。


私は賢明な判断だと評価します。

 

個人、組織それぞれの活動のリスクの程度を見極め、すべての活動を中止することではなく、そこは程度を見て判断することが必要です。

一人一人がリスクアセスメントに対する高い能力が身に付き実行できるようにできれば、社会全体のリスクを最小化できるのではないでしょうか。