先日、西粟倉村を訪ねました。
具体的に何をしに行ったのかは、今はまだ明かしませんが、仕事がらみということだけ言っておきましょう…
前日、我が家でギョーザパーティで、母と弟家族が我が家に来ていて、その時のなんとなくノリで母を誘ってみたら行くとの返事。
母を誘ってみたのは、ノリとはいいながら、ぜひ西粟倉をみてほしかったからです。
いや、実際のところ、見に行ったところで風光明媚というところでもないし(西粟倉村のみなさん、失礼!)、逆にうちらの町とたいした変わりがないですが、次々とベンチャー企業が誕生する町であることを知ってほしかったのです。
私は自分の生まれ育ったここハチ北で活動をしていますが、その根本的な思想はまぎれもなく母から教えてもらったものです。
母は、小代の出身で縁あって父と結婚し、ハチ北に嫁いできたわけですが、『自然』が好きな人で、今いる場所や、時間を最大に楽しむという思想は揺るぎないものがあって、よく山にでかけたて、植物観察をしたり、木の実を採取したり、花を愛でたりします。
ここでの暮らしを否定的に言ったことは一度も聞いたことがなく、だから私自身も、知らず知らずにそういう教えを刷り込まれていったんでしょう。都会で暮らすことなど全く思ったことがありませんでした。
どうやったら今いる場所で楽しく素敵に生きられるかということをずっと考えている人にこのローカルベンチャーの聖地を案内すれば、何かまた感じるものがあるんだろうと思いました。
これ以上に貴重だったのは、往復4時間という車内でじっくりと母と話ができたこと。
家族のこと、会社のこと、地域のこと、これからの未来のこと…
いろいろと積もる話をお互いにしました。
結婚してから別々に暮らすようになり、また最近は、父が介護の必要な身となり、母とじっくりと話す機会もほとんどなくなっていました。しかし、幸か不幸か父は今入院しているので、こんな時間がとれてしまいました。
西粟倉にはうちの地元出身の大林さんが(結婚して姓が変わったのだけど、名前は知らない!)アブラボという植物油の、製造販売を行っています。
Masaki Nishimura 西村 昌樹@masakinishimura
何年かぶりにお会いした油姫!は健在!村岡の才女を西粟倉村にとられちゃったのはめっちゃ悔しいけど(って親でもなんでもないのにね)、次から次から新しいものを生み出す町の力は純粋に脱帽しかない!#ablabo https://t.co/vcnc0cWa2r
2020年01月31日 12:32
彼女はまさに、西粟倉村で誕生したローカルベンチャーなのです。
大林さんの工房も訪ね久しぶりに彼女の姿も拝見することができました。
私が彼女と知り合ったきっかけは、偶然でした。
数年前、森の学校という、林業の一次生産から、販売に到るまでの様々な仕組みに取り組んでいる西粟倉のローカルベンチャーの中枢をなす場所に視察に行くことになりました。
このため、林業生産と、建築業を営んでいるとある社長に、おもしろい取り組みをしている西粟倉という場所があるよ、そこの関係者と取引があるから一度会ってみたらということで、事前視察に行ったのでした。
廃校の小学校の建物が拠点施設で、そこでいろいろな説明を受けたのですが、これまでそこで産み出されたローカルベンチャーの取り組みをしている事業者のパンフレットが並べてありました。
その中の一つをなんとなく手に取ったのがアブラボでした。
女性の起業なんだぁて感心しながら見ていたら、説明をしてくれたかたが
『その女性は香美町出身で、お父さんは確か左官業を営んでる方でしたよ…』
私は地元で左官をやっている大林さんを知っていたけど、娘さんの話など一度も聞いたことがなかったので、まさかなぁと思いながら、後日本人に電話して、
『西粟倉に行ったんだけど、娘さんてここで商売してないよね?』
と尋ねてみるとそれはうちの娘だ!とのこと。
もうびっくりです。
あの時、私がパンフレットを手に取らなかったら、おそらく気づくことはなかったはずです。
後日、大林さん(娘さん)が里帰りをしたタイミングに合わせ、本人にはじめてあわせていただきました。
なぜ西粟倉のと出会ったのか、なぜアブラボを創業したのか、今の活動など…
1時間半ぐらいでしょうか…
彼女の取り組みについてお話をお聞きして、その確かな考えと事業をおこしていった行動力に、ぐんぐん引き込まれていったのを覚えています。
こんな前向きですごい子が地元にいたんだ!ってことに感心したのと、
そういう彼女を起業させてしまった西粟倉はまさにローカルベンチャーの聖地なんだなぁと確信したのでした。
今回、アブラボにはアポなしで行ったのですが、大林さんもご健在で活躍されていて、母にも紹介することができましたが、母は、何度か香美町の広報紙にも載っており、それを断片的に覚えていたみたいで、母もその話と現実が頭のなかでひっついた瞬間だったようです。
母に西粟倉を紹介できたことが嬉しかったし、じっくりと親子水入らずの会話ができたこともうれしかったです。
いろいろ口喧嘩の絶えない親子ですが、なんだかんだ言っても、親の思想をドストライクに受け継いでいる私を自覚し、やはり母は偉大だなぁと思ったのでした。