世の中には、多くの商品、サービスがあります。
品質、デザイン、コスト…
さまざまなモノを比較検討し、お客様は一つの選択をして、それを選択します。
しかし、建設業は、買うという意思表示をした時点では、まだ何も存在しません。
これから行うであろう行為を購入していただくことになります。
もちろん、過去の実績などの積み上げが信頼となり、買う買わないの判断が出てくるわけです。
建設業のプロジェクトは、請負工事の場合は、図面に基づいてつくっていくのですが、完璧な図面というものが存在せず、どこかに不完全なものがあるのが普通です。
土木など、屋外などで製作するものは、気象条件や周囲の状況からの影響を受けるため、同じモノを完成させるとしても、そういう諸条件をクリアーにしながらすすめていくので、当初に立てた計画を適宜修正することはしばしばです。
また、建築物などのように屋内で行うものでも、リフォーム工事などは、壁の裏側など事前に把握することができないものがあったりするので、開けてみてびっくりということはよくあることです。
建設業の場合は、一つの会社がすべてを完成させることは稀です。
多くの専門業者というものが存在し、それらと共同で仕事をすすめていくことがほとんどです。
ひとつの現場が発生すると、そのたびごとに、新たなチーム編成が行われる…と考えるとよいと思います。
チームを編成し、そして、そういった方々と協力し、時にさまざまな諸条件の制約などによる変更を乗り越えながら、仕事をすすめていく行為なので、『プロジェクト』という言葉がぴったりなのです。
お客様もプロジェクトの一員になります。
お客様にも、仕事を進めていく中で、変更が生じれば、さまざまな相談をし、決断をしていただかなくてはなりません。
リフォームなどを例にとると壁をめくったら、思いの他柱が腐っていて、取り換えることが必要になってきた。
あるいは、ある場所に設備を置こうと思ったのに、とることのできない柱があって位置を変えなければいけない。
事前に調査し、完璧な計画をたてていても、そういうことは発生し、お互いに知恵を絞りだしながら、最適な解を導きださなくてはいけません。
そういう意味ではお客様も、一緒に乗船するクルーというわけです。
プロジェクト型のお仕事はそういう意味でも単にモノを手に入れる幸せ以外の、関わって一緒につくりあげる幸せというものがあります。
そんな幸せな一場面を作り出せる乗員に選ばれるように日々精進していかなくてはなりません。