新聞に、卒業を記念して、タイムカプセルを埋めたという記事が掲載されて、思い出したことがあります。
数年前、僕の中学の後輩にあたる人から、
『自分たちが埋めたタイムカプセルを掘り起こしていいですか』
と問い合わせがありました。
廃校になった中学校は、今は私の会社のものとなっているので、そこから掘り出したいので私に許可を求めてきたのです。
その後、掘り出しに成功したのかどうかはお聞きをしていませんが、タイムカプセルを埋めた場所がどこだったのか…なんて話になっていたので、もしかしたら、それはまだ実現していないのかもしれません。
私の当時を振り返ってみると、中学校は、小規模な中学校だったので、幼稚園、小学校、中学校と、クラス替えを行うことなくずっと同じ顔触れでした。
私は、同級生のいない学校に一人で行くことになったので、いよいよきたっちゃのか
っていう気持ちと、新しい舞台へ踏み出せるという期待とが複雑に絡み合った感情だったことをよく覚えています。
私のクラスではタイムカプセルは産めなかったけれど、後輩たちは、大人になった自分たちにどんな期待を込めて、それを土の中に埋めたのだろうと思うと、なんとなく複雑な気持ちになります。
おそらく、期待と不安が入り混じりながらも、未来が輝くものであってほしいという願いがあったのだろうと思います。
まさか、その当時、自分の母校が廃校になり、民間の所有物になってしまったのだとは思いもよらなかったでしょう。
大人の私たちは、今の現実を冷静に受け止め、日々粛々と対応をしていますが、当時の彼らが、もし30年後にこの町の現実を知ったとしたら、どんな思いになっているのだろうなぁ
おそらく失意のどん底に落とされていたのではないか…
そんなふうに思えてなりません。
そう思うと、いつか彼らが本当にタイムカプセルを開ける時が来た時に、中学生の自分たちに向かって誇るべきふるさとであるよう、やはり日々努力を続けていかなくてはならないと思うのでした。