政治に興味のある私の知人が、あるときポツッとつぶやいたことがとても印象的でした。
ある地元の政治家が、子育て支援に対する政策を掲げると、スピーチをした時の帰り道だったと思います。
『昔、小中学生の医療費無料化をしたことがあっただろ、あのとき、自分たちのために政治ががんばってくれたなぁって思ったのに、何年か経つとそれが当たり前になって、そうしてくれたことの有難みを忘れてしまうんだよ。
さらに良くするような政策を掲げても、また何年かすると、それが当たり前になって有権者は有難みを感じなくなる…』
本当にそうだな
って思いました。
去年の秋、国道から私の家に帰る道に新たな道ができ、行き帰りがスムーズになりました。
何十年来の地元の要望が叶い、その喜びを地域みんなが感じていることと思います。
ですが、おそらく10年もすると、その日常の道は当たり前の風景になることなんでしょう。
そのとき、私たちは、あー良かったなぁって思い続けてるのかなぁって思います。
考えて見れば、私が普段通う道も、私の幼少の頃は、狭く対向2車線にはなっていませんでした。
あの道が広がったとき、
『なんて便利になったんだろう』っていう感動を覚えていますが、今になれば、その感動があったことさえも忘れかけてしまいそうです。
あー人間とは欲深きものなのだなぁって改めて思います。
どんなにいいものが手に入ろうとも、それが達成できれば、またさらに次のものへの欲求がエスカレートするものなのです。
今あることは、そんなことの積み重ねです。ただ、先人たちから、そうやって高みを目指してきてくれたから今があることも事実です。
過去の積み上げがあることを『ありがたい』と思える感覚を忘れないようにしたいものです。
昨今、世の中に対する不満ばかりが聞こえてきます。
不満ばかりが飛び交う世界は、やはり窮屈で、気持ちのいいものではない。
ありがたい、ありがたい…
そんなことが日々交わされるそんな社会に替えていくのは私たちの気持ち一つです。
人間の欲深さは性としながらも、それを押し潰し日常への感謝に変えていかなくてはなりません。