先のブログで、4週続けてハチ北のスノーイベントに関わっていることをお伝えしました。
という指摘にもあるように、イベント地獄といえるかもしれませんね(笑)
このブログの著者でもある木下斉氏は
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のタイトルでもあるよう、補助金ばかりに頼って稼げないことは悪だとしきりにおっしゃっておられて、それは正論だと私も思っているので、たいした収益をあげていないイベントをやり続けていることは、悪ということになるのでしょう…
イベントをやる以上はボランティア的なものに頼るのではなく、やはりそのイベントが自己完結する、つまり収支がきちんとあうようにしていくことは大切だと思います。
しかし、スキーのイベントは残念ながら単体としては収支はあっていません。
アルペンスキーの場合、だいたいひとつの大会でスタッフが30人ぐらいの人数は必要となります。
スタート係、ゴール係、旗門員、コース整備係…などさまざまな役割があります。
現在スキー大会を主催すると、だいたい100人~150人ぐらいの出場選手になりますから、もしすべてのスタッフに当たり前に日当を支払ったとすると、30人×1万円=30万円の人件費が必要になります。
しかし、それ以外に募集要項を作成したり、会場設営に必要なもろもろの経費が必要ですから、それにプラスアルファ、軽く見積もって20万円ぐらいは必要となるでしょう。
そう考えると、参加費は5,000円ぐらいで収支ゼロということになりますね。
ただ、実際には、いまのところ参加費は概ね3000円前後ぐらいですし、見越したクオリティの高い大会を目指せば目指すほど経費や日当分も膨らんでしまいます。今はスポンサーさんからの支援をいただきながらやっていることは多いですし、大会スタッフもボランティアに頼っています。
金銭的な収支は、少しずつ改善をするとしても、その事業の中だけで収支をあわせることは難しいのではないかと思われます。
そうなれば、木下氏が指摘するように、稼げないイベントはつぶすべきという論が出てもおかしくありません。
しかし、やはりスキー界全般のことを考えると、単に収支をあわせることだけだけをみて大会の可否は決定すべきではないと私は思います。
サッカーなどをみてもわかるように、ワールドカップなどの頂点の大会があることで、そこに関心を寄せてすそ野が広がっていくように、やはりスキーも競技を盛り上げていくことで、オリンピックなどで活躍する選手が増えて、それが結果的にはウインター業界全般の活性化につながっていくわけです。
また、身近な大会を用意することで、地元選手のモチベーションの向上に寄与し、彼らが大会の中で学んださまざまなこと…努力すること、最後まであきらめないこと…などを、理解し、自分のモノにしていくことで、人の成長を促し、それはやがて、人財となって、今後の社会をささえてくれるための一助にもつながっていくわけです。
さらにいえば、イベントを開催することで、宿泊・飲食などの大会以外での収支をもたらすこと、イベントをやってにぎわいをつくることで、スキー場の話題を提供したりしてその効果を波及させることにもつながります。
ですので、『儲かるか』『儲からないか』というだけではなくて、いかにベストを尽くして、最良の大会をつくっていくかということが非常に大事になっていくのだと私は思います。
『価値の創造』とは、何も金銭面だけではありません。それを実施して参加者、運営者、地域…3方が何らかの価値があるようにしていきたいものです。