ハチ北には、22件の宿泊事業者、14件のレンタルスキー事業者、8件の食堂があります。(重複しているの事業者の方もいますので、実数はもっと少ないですが…)
50軒ほどの小さな集落にも関わらずです…。
ハチ北スキー場は、昭和43年に開設していますので、それ以後にできた事業所ばかりで、うちもその一つになります。
昔は、スキー場に求められる機能は限定的でもお客様にはある程度の満足は提供できたと思います。
寝るところさえ確保できればOKでした。
現在、私が住んでいる家は、父が地元に戻って工務店を始めたころに建てたもので、田舎の住居としては、まあどこにでもある極一般的な家屋だと思います。
昭和40年代のスキーブームで、大勢のお客様がハチ北に訪れるようになり、その住宅を民宿の許可をとって宿泊させるようになりました。
典型的な田の字の家で、8畳間とか、10畳間とか、そんな部屋の真ん中にこたつをおいて、みんながそこに足を突っ込んで寝泊りしていたといいます。
当時はそれでもお客様は不満を言うことはなかったわけです。
しかし、今や宿泊のレベルはどんどんとあがり、また都市部においてはホテルが主流となってきて、そういう宿は受け入れられなくなりました。
そうやってどんどんとお客様のニーズが変化をしていく中にあって、もともと来ていただけたお客様を『さばく』ことさえできれば『経営』ということについて考える必要がありませんでした。
『経営』を考えることはとても難しいです。私も父から会社を引き継いでからというもの日々考え、行動する毎日です。
古典的なセオリーから、最新のマーケティングに至るまでどんどんと広がり続けるものは無限大で、追いかけるのに必死です。
だから、常に学び続けなければならないのです。
ハチ北の場合、先に述べたように、多くの事業所がありますから、普通の集落と異なり、経営者ばかりが集まっている地域と言い換えることができます。
その密度でいえば、おそらく都市部の大商業地にも負けてません(笑)
サラリーマンが学ばなくてよいということはないわけですが、学びの度合いでいえば、その比にはなりません。学び、考え、行動し…ひたすらその繰り返しです。
よくよく考えてみると、ほんとうに私たちは学び続けているのか?と疑問に思うようになりました。ハチ北で生きていくことというのは、言い換えるならば、学び続ける覚悟があるかということです。
ただ、こうも思います。自分が子供のとき、新しいことを知ったり、できないことができるようになったりしたときの喜びは、何にも代えがたいものがありました。となれば、私たちは、一般の人に比べて学ぶ機会、自己を成長させるための機会がたくさんあるということですね。
これって実はとても幸せなことです。
そういう機会を与えていただいているわけですから、学ばなくては損ですね。
今おかれている環境がそんなチャンスだと思えれば、人生はもっと素敵になると思います。