先日の日経新聞にサッカーのスペインリーグのチェアマンがインタビューに答えていたのを拝見して感じたことを書きます。
スペインリーグでは、テレビ放映などで得た収入はいったんリーグに入ってから、各クラブに分配される仕組みとなっているようです。
以前は、各クラブがそれぞれに直接得ていたということになります。
自分のひいきのチームが勝つのはもちろんファンとしてもうれしいことですけど、スポーツの場合、相手がいて成り立つわけですから、一つのクラブだけが突出して強くても、それでは全然おもしろくないわけです。
勝ったり、負けたり、お互いがしのぎを削って、技を繰り出していくことに面白みがあるわけですから、自分のチームの強化だけを考えればいいわけではなくて、リーグ全体が活気が出るように考えることがとても重要になるわけです。
そうなると、やはりリーグ全体を取り仕切る立場の人は、そのことを十分認識して、全体の強化を意識しなくてはいけません。
また、スペインリーグでは、アジアなどにオフィスを構え、リーグ全体を世界各地にプロモーションしているそうです。
だから、クラブ単体を売り込むのではなく、リーグ全体を世界に売っていっているわけですね。
そうやって、リーグ全体の魅力を高め、個々のクラブの魅力も高めて、結果、収益があがり、その収益を元手として、世界中のスーパースターをまた引き付けていく…
そんな形でリーグを運営しているという話を聞いて、これって地域経営そのものにつながる話だなぁと思いました。
特に、観光面では顕著ですが、もちろん個々の宿、個々の景勝地そういうものへの魅力があって、その場所を訪れるわけですけど、お客様は1泊2日という行ってから帰ってくるまでのトータルの満足をやはり考えるわけですよね。
どこどこに泊まって、その前に、あるいはその後に、あそこに見に行こう、あそこでご飯食べよう…ってなるわけです。
ですから、私たちはそれぞれが個々のプレイヤーであるけれども、トータルとして果たしてどうなのだということを考えていかなくてはいけません。
むしろ、圧倒的に地域の魅力をつくることができれば、結果として、個々の店にも人が来ることになるわけですよね。
リーグのチェアマンに相当する人は、やはり首長ということになるのでしょうけど…
大事なのは、それぞれの立場の人が、チェアマンのような発想で地域を考えることができるかどうかにあります。