先日、もと香住鶴で杜氏を勤められていた方のお話を聞く機会がありました。
杜氏は、酒蔵の製造の責任者なのですが、『但馬杜氏』という言葉があるように、杜氏を多く輩出し、各地の酒蔵で活躍をされていました。
なぜ、但馬に杜氏が多いのかというのは雪と多いに関係をしており、冬期間雪に閉ざされるこの地域は農業収入が得られないために、冬季ならではの生産地に、出稼ぎに出かけていたわけです。
裏返せば、雪さえなければ、農業での安定した収入を得られるわけです。だから、家族と離れることのつらさを思うと、きっと昔の人にとって、雪景色というのはきっと恨めしいものであったに違いありません。
しかし、ヨーロッパが発祥のスキーが日本に導入され、雪に対しての感覚というのはまったく変わってきたはずです。
ブームが去ったとはいえ、やはりウインターの遊び、レジャーの中心はスキーをおいて他にありません。
まして、スキー産業を取り巻く私達は、スキーがなければ、雪は単なる邪魔者でしかないのです。
スキーという魔法によって、雪にたいしてのマインドは180度転換したのです。そして、私達の生計の有り様もまったく異なってしまったわけですね。