半年待って令和元年最後の最後12月末に再会できた寅さん
私…
生まれも育ちも広島県は陸の孤島と揶揄される呉市港街で生湯を浸かり
おん歳47歳
現役サラリーマンをしております
22年の年が経っての新作寅さん
お恥ずかしながらスクリーンで男はつらいよ
を鑑賞するのは初めてでございます
満男さんの恋が主役だった頃の私は血気盛んな二十代半ば
寅さんなんて古臭い映画を見る訳がございません
幼少の頃、年末になると必ずテレビで流れる男はつらいよ
チャンネル権は親父のもの
渋々見ていた寅さん
見ている此方も辛いよ…
なんて思って見ていたテキヤのオッチャンの失恋物語
我ながら年を取ったと思うもんで…
仕事に人間関係に…恋に…色々経験を積み
酸いも甘いも噛み分けた苦渋だらけの人生真っ只中のアラフォー時代
ふとBS放送のウサンくさい通販会社がタイアップの再放送の寅さんを観た
他人には厳しいが自分には甘い
お節介の度が過ぎる
喧嘩の火種は必ず寅さん
しかし暖かさの残る口上に涙が出た
縁やら恩を教えてくれた
甘い経験の方が少なかったと寅さんを見ながら振り返る人生も悪くないと自分に言い聞かせていた
早い話が
世知辛い欲望だらけの現世からの現実逃避先が寅さんとなりました
そして劇場で観た
お帰り寅さん
山田洋次監督もエピソードシリーズに手をかけたか…そんな作品でした。
介護に老に各種ハラスメント
大人の恋愛事情
実社会を映像にした作品
居場所や存在感のあり方
寅さんを無くした22年
日本は沢山の新しいモノを手に入れた
しかし一番大切なモノを失った
思いやりと優しさだろう
寅さんを失った22年で日本は悪い方向に向かっていると言っても過言じゃない
幕が閉じ拍手の替わりにヨイショと立ち上がる客層
空席だらけのシアターにヨイショの声と笑い声がこだまする
高齢者の方は面白かった懐かしかったと笑顔で帰路につく
それも寅さんの楽しみ方の一つだろう
もしかして泣いていたのは私だけなんだろうか?
なんてジェネレーションギャップやお年寄りのノーテンキな姿に呆れていた
エンドロールが流れる中
寅さんが結婚しなかった理由を勝手に考える
相手を幸せにする自信がない
仕事や収入に問題がある
幸せの価値観が違う
異常なまでのヤキモチヤキ
諦めが早い
時期や旬が過ぎた
せめてもの懺悔や罪滅ぼしなのか?
結局は帰る場所があり待っている人が居る
総合して言うと
臆病なのである
ちなみに私も50前で独身です戸籍も純白です
ちなみに私にも成人を迎えた甥が居ます
日本には古から
天照大神を主神祭とする神道
お釈迦様を本尊とされる仏門
主に二つの信仰対象があった
その大きな信仰対象に割り込んできたのが
阪神タイガースを信仰する虎キチ
矢沢永吉さんを信仰するYAZAWA組
そして…寅さんだろう
拝んで崇拝する価値のある男それが車寅次郎なのである
売店の若いお兄ちゃんに寅さんって面白いんですか?
まだ見た事ないんです…
と言われ
まだ見なくて良いんだよ
40越したら良さが分かる
そう答えておきました
寅さんの良さ
歳を取らなきゃ分からない
もがきながら右往左往しながら生きていると寅さんの言葉が頭を過ぎる
桑田佳祐さんファンには申し訳ありませんが
主題歌は49作目に歌っていた八代亜紀さんで聞きたかった…
帰る場所があるから旅に出る…
私にも戻れる場所はあります…
ありがとう寅さん
ありがとうご両親
本年も宜しくお願いします。