アマチュア野球をめぐる旅。 -2ページ目

アマチュア野球をめぐる旅。

高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東京六大学野球 新人戦・準決勝(早稲田大対法政大・立教大対明治大)を観戦に神宮球場に足を運んだ。

東京六大学は春秋ともに早慶戦が終わると、1・2年生限定で新人戦がトーナメント戦で開催されている。
レギュラーチームの選手が出場することもあるが、出場機会の少ない選手が神宮で実戦経験を積む場でもある。

リーグ戦の最中はファウルボールを拾う係員が、昨年まで高校球界のスター選手が務めることも珍しくない。
彼らのストレスや忸怩たる想いは想像に難くない。新人戦をきっかけに神宮デビューの足掛かりとして欲しい。



立教の先発・田村伊知郎


立教大は田村伊知郎(2年・報徳学園)、明治大は水野匡貴(1年・静岡)を先発マウンドに送り出した。

田村は1年春に神宮デビューを果たしているが、まだ勝利がない。12試合に登板しているが、先発は一度もない。
来季は同期の澤田圭祐(2年・大阪桐蔭)とともに先発の一角で活躍の出来る逸材であると期待されている。

水野は並み居る明治投手陣で1年生ながら今秋に神宮デビューを果たすと、3試合・計4回1/3に登板している。
182cm・82kgと恵まれた体躯から140㌔を超えるストレート、スライダー、カーブを投げ込む本格スタイル。



大阪桐蔭の春夏連覇メンバー・笠松悠哉


2回表、立教大は一死2・3塁から8番・高田涼太(1年・浦和学院)の左越え二点適時打で先制点を挙げる。
4回表には6番・笠松悠哉(1年・大阪桐蔭)、7番・山本大貴(2年・星稜)の連続二塁打で一点を加える。

立教の先発・田村は5回まで被安打1、明治打線を無失点に抑える。立教ペースで試合は後半戦に突入して行く。
田村はスピンの利いた伸びのあるストレートと、腕の振りが緩まない変化球を投げ分け、潜在能力の高さを披露。

6回裏、2番・加勢一心(2年・札幌一)が振り逃げで出塁。さらに盗塁で無死2塁と得点圏に進塁する。
一死後、4番・佐野恵太(2年・広陵)の中越え適時打で明治大が一点を返した。



明治の先発・水野匡貴


立教大が7回に二点、8回に四点を加えと、田村が1失点という好投で八点差のリードで試合は終盤を迎える。

8回裏、竹下諒太郎(2年・明大中野)、竹村春樹(1年・浦和学院)などの適時打で打者一巡で二点差に詰め寄る。
8回途中から登板した藤田凌司(1年・県岐阜商)が明治大の反撃を凌いで、9-7で立教大が決勝進出を決めた。

立教大は新人戦5連覇を続けた明治大の連勝を止めて、リーグ戦で明治大に敗れ優勝逃したリベンジを果たした。

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法政・金子凌也は4打数3安打


早稲田大は黄本創星(2年・木更津総合)、法政大は藤森祐太朗(1年・西武台千葉)を先発マウンドに送り出した。

黄本の母校・木更津総合の五島卓道監督は早稲田OB、藤森の母校・西武台千葉の皆川浩一監督は法政OB。

黄本は7イニングを投げて被安打4、藤森は同じく7イニングを投げて被安打1と無失点でマウンドを降りている。

黄本、藤森は実力で先発の座を勝ち取っていると推測するが、高校と大学は強いラインが存在するのも事実。
大学野球では選手のアナウンスに出身高校名が付け足されるが、どのようなラインが存在するのか興味深い。



早稲田は柳澤一輝が最後を締めた


両校無得点のまま9回を終了。大会規定により10回から無死1・2塁でタイブレークの延長戦が実施された。

10回表、早稲田大は宇都口滉(1年・滝川)の犠打を捕手・森川大樹(2年・桐蔭学園)の悪送球で先制する。
さらに二死から8番・吉見健太郎(1年・早稲田実)の左前適時打で追加点。早稲田大が2-0で法政大を下した。


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立教のベンチ入りメンバー



明治のベンチ入りメンバー



早稲田のベンチ入りメンバー



法政のベンチ入りメンバー
侍ジャパン21U代表強化試合・巨人対侍ジャパン21U代表を観戦にジャイアンツ球場に足を運んだ。

侍ジャパン21Uは台湾で開催される第1回IBAF21Uワールドカップに向けて結成した21歳以下の日本代表である。
サッカーの年代別代表のU-19のように「アンダー」が、年代の先に着くことに耳慣れしているため違和感を感じる。



ライト後方は、よみうりランドに向けたリフトが通ります


ちなみに、1次グループは下記のように対戦が決まっている(時間は現地時間)。

11月7日(金) 12:30 オーストラリア 
11月8日(土) 18:30 ベネズエラ
11月9日(日) 12:30 オランダ
11月11日(火)12:30 ニカラグア

※J SPORTSでは全試合生中継を予定。放送予定一覧



入場無料の試合にスタンドは混雑


巨人は宮國椋丞、侍ジャパン21Uは中村勝(日本ハム)を先発マウンドに送り出した。

2回表、侍ジャパン21Uは4番・近藤健介の内野安打、5番・鈴木誠也の左前安打で無死1・2塁と攻め立てる。
6番・三好匠の犠打で一死2・3塁の好機を迎える。7番・辻東倫の右前適時打で先制点を挙げる。
6回表には一死1・2塁から5番・榎本葵の併殺コースの三ゴロを和田恋の二塁悪送球で一点を献上してしまう。



巨人の4番・大田泰示は4打数無安打


7回裏に7番・坂口真規の右前適時打、8回裏に中井大介の左越え本塁打で巨人が終盤で同点に追い付いた。

9回裏、巨人は代打・隠善智也の内野安打、6番・立岡宗一郎が犠打。奥村展征、坂口に連続四球で一死満塁。
8番・小林誠司に代打・河野元貴を送り、右犠飛からサヨナラ勝ち。巨人が3-2で侍ジャパン21Uを退けた。


この試合は、21Uワールドカップに備えて9回までの試合結果に関わらずタイブレーク方式で2イニングを続行。
10回は「無死1・2塁希望打順」よりタイブレーク。11回は「継続打順」よりタイブレークで試合が続行された。



ブルペンにはお目当ての選手が来るとファンが集まる


アマチュア時代に観戦したことのある選手が巨人と侍ジャパン21U代表に入り乱れていて感慨深いものがある。

09年夏の甲子園に出場した九州国際大付(福岡)の選手が両チームに4名もベンチ入りしている。
榎本葵・三好匠・高城俊人は侍ジャパンの先発、当時・正捕手を務めた巨人の河野元貴が途中出場している。

同じ出身校の選手がメンバーにいることはあるが、同時期にベンチ入りした選手がプロの舞台で競演は珍しい。
伊藤拓郎が「1年生最速148㌔」を計測、九州国際大付は3回戦で帝京にサヨナラ負けで甲子園を去っている。
5年以上の時間を経て、若生監督の下に集まった当時の選手たちのクオリティの高さが証明されたように感じる。


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試合後のスコアボード(9回まで)



試合後のスコアボード(タイブレーク)
東京六大学野球・第7週、明治大対立教大を観戦に神宮球場に足を運んだ。

立教大が明治大との初戦を制して15年ぶりのリーグ優勝に王手を掛けてから、引き分け・敗戦と足踏みしている。
2戦目は延長12回を引き分け、3戦目はエース・澤田圭祐(2年・大阪桐蔭)を投入しながら逆転負けを喫する。

スタンドは平日の2戦目にも関わらず、8000人が駆け付けた。特に立教スタンドは連日、大勢のファンが陣取った。


「明立戦の勝負と優勝の行方は4戦目に」(弊ブログ・10月28日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11944979835.html

「立教大が優勝に足踏み」(弊ブログ・10月27日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11944553225.html



応援席に一礼する立教大・我如古盛次


立教大は川端大翔(4年・沼田)、明治大は上原健太(3年・広陵)を先発マウンドに送り出した。

1回表、明治大は1番・福田周平(4年・広陵)が四球。2番・糸原健斗(4年・開星)が犠打で得点圏に走者を送る。
3番・高山俊(3年・日大三)が四球、一死1・2塁。4番・石井元(3年・履正社)の左前適時打で先制点を挙げる。

先頭打者・福田の四球は三塁方向へのファウルで粘り続けて、川端に11球も投げさせて奪い取った四球である。



火曜日でも立教スタンドは多くの観客が駆け付けた


3回表、5番・海部大斗(3年・履正社)の適時打、7番・佐野恵太(2年・広陵)の右越え三点本塁打で四点を加える。
佐野は、青野悟(3年・広島国泰寺)の第1打席で代打起用されるという異例の途中出場であった。

5回に一点、6回に二点を加えて明治大が8-0とリードを広げる。立教打線は初回の1安打以降はヒットが出ない。



100安打を達成した明治大・高山俊


最終回、明治大は今季わずか1勝と不調ながらオリックスから1位指名・山﨑福也(4年・日大三)をマウンドに送る。

1番・大城滉二(3年・興南)が左翼線二塁打、3番・佐藤拓也(2年・浦和学院)の適時二塁打で一点を返す。

さらに5番・我如古盛次(4年・興南)がヘッドスライディングで駆け込む内野安打で二点目を挙げる。
6番・小尾拓大(4年・大垣日大)を左飛に抑えて、明治大が8-2で立教大で勝利。優勝戦線に踏み止まった。


試合の詳細はこちらから



うなだれる立教の選手


試合終了後、整列に向けて立教大ベンチから澤田が歩き出すが、泣き崩れて両脇を抱えられて整列に加わった。
澤田はエースが登板する初戦全てに先発。全5試合を完投勝利で、立教大の優勝争いに大きく貢献している。

スタンドに一礼後は澤田以外にも目に大粒の涙を浮かべた選手が見受けられ、立教大の悔しさが滲み出ていた。



試合後のスコアボード


多くのメディアで取り上げられているが、明治大・高山俊が3年生では史上初となる六大学通算100安打を達成。
高山100安打に注目が集まるが、立教・大城の打撃成績も負けず劣らずの好成績であることも記しておきたい。

高山 81試合 315打数 100安打 6本塁打 38打点 四死球32 打率.317
大城 70試合 271打数 94安打 3本塁打 17打点 四死球22 打率.347


東京六大学・秋季リーグの優勝条件は以下の通りである。

早慶どちらかが2勝0敗で勝ち点・・・早慶の勝ち点を取った方が優勝
1勝1敗になればその時点で  ・・・明治大優勝