前橋育英、夏の甲子園初出場・初優勝 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

第95回全国高等学校野球選手権記念大会・決勝(前橋育英対延岡学園)を観戦に甲子園球場に足を運んだ。

震災以降、一昨年・昨年は節電への配慮から試合開始は9時30分、10時30分としていたが、今年は12時に設定された。

前橋(群馬)と延岡(宮崎)という甲子園からは程遠い学校の同士の対戦に観客の出足は遅かったように感じた。
昨年は地元・大阪の大阪桐蔭が、春夏連覇を懸けた決勝戦であり比較すること自体が若干酷かもしれない。

「大阪桐蔭、史上7校目の春夏連覇達成」(弊ブログ・12年9月2日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11336478293.html

ちなみに、明徳義塾対大阪桐蔭戦と沖縄尚学対福知山成美戦が3回戦ながら、47,000人を集客している。
決勝戦は43,000人という観客数からも、甲子園の集客は地元の高校の出場と活躍が大きく影響することが分かる。


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優勝投手になった高橋光成


前橋育英は高橋光成、延岡学園は横瀬貴広という両エースを甲子園決勝戦の先発マウンドに送り出した。
高橋、横瀬はともに準決勝を完投しているため2日間続けての連投になる。

1回表、前橋育英は1番・工藤陽平が二ゴロを放ち、処理した延岡学園の二塁手・梶原翔斗の負傷退場で幕を開けた。
準決勝・花巻東戦で7回裏に一塁へ走り込んだ際に右太もも裏の肉離れと診断され負傷退場している。

2番・高橋知也が四球、3番・土谷恵介が中前安打、4番・荒井海斗の右前安打で一死満塁と先制の好機を迎える。
5番・小川駿輝は初球のカーブを打ち損ねて捕ゴロ併殺打で、前橋育英は先制の好機を一瞬で失った。


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延岡学園の先発・横瀬貴広


高橋、横瀬両投手の丁寧な投球が続き、膠着状態が続いた試合中盤の4回裏に試合が大きく動き始める。

3番・坂元亮伍の三塁内野安打、4番・岩重章仁の右前安打、6番・田中祐樹の四球で二死満塁と先制の好機を迎える。
7番・薄田凌の三塁内野安打、更に一塁への送球が悪送球となり二者が生還して2-0と延岡学園が先制点を挙げる。
8番・柳瀬直也の四球後、9番・横瀬が右前適時打で一点を加える、4点目を狙うが板垣文哉からの好返球で防いだ。


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負傷交代後ベンチから声を掛ける梶原翔斗


5回表、前橋育英は先頭打者、8番・田村駿人が左越え本塁打で一点を返し、反撃を開始する。
9番・楠裕貴、1番・工藤が相手の連続失策で無死1・3塁。延岡学園は横瀬からサイドハンドの井手一郎に継投する。

2番・高橋がスクイズ成功で2-3と一点差に迫る。投手交代直後の初球を狙ったスクイズは見事である。
3番・土谷、4番・荒井の凡退後、5番・小川が右前適時打を放ち、失点直後の前橋育英が試合を振り出しに戻した。


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先頭打者として前橋育英を牽引した工藤陽平


7回表、前橋育英は3番・土谷が右越え三塁打で出塁、4番・荒井が三塁線を破る適時二塁打で勝ち越しに成功する。
各メディアで報道されていた荒井海斗が幼い頃からの夢を近付けた瞬間にスタンドから大きな拍手が起きていた。

かなえた「父への約束」前橋育英・荒井海斗主将


8回裏の延岡学園の攻撃からは今夏の応援でお馴染みになった「あまちゃん」の楽曲に乗せた応援に手拍子が起こる。
9回裏には三塁側アルプス席を始点に、内野席からネット裏にまで伝播していく様子は壮観であった(下記動画参照)。

高橋光成は9イニングを完投、被安打6・奪三振5・四死球3・失点5・自責点2という投球内容で締め括った。
前橋育英は1991年の大阪桐蔭以来の初出場での優勝、群馬県勢としては桐生第一以来の14年ぶりの優勝を飾った。


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試合後のスコアボード


高橋光成の投球に注目が集まった前橋育英ではあるが、先頭打者・工藤陽平の活躍を簡単に記しておきたい。

26打数10安打、打率.385・1本塁打とリードオフマンとして前橋育英の初出場初優勝に大きく貢献している。
ファーストストライクを積極的に振りに行く姿勢は攻撃に勢いを与えていた。
工藤の放った10安打中7本が、ストレートを狙い打ったものでストレートへの対応に自信があることが推察される。

新チームでは主将を務めることになった工藤と高橋を投打の中心に、再び甲子園で活躍することを期待したい。


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試合前の甲子園球場



「前橋育英、初出場で決勝戦進出」(弊ブログ・8月25日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11596101286.html

「前橋育英、初の決勝進出」(弊ブログ・7月29日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11582196783.html

「前橋育英がコールド勝ちで4回戦へ」(弊ブログ・7月16日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11573572216.html