高校生№1内野手・高橋周平(東海大甲府) | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

春季関東地区高等学校野球大会を観戦に袖ヶ浦市営球場に足を運んだ。

大会二日目、市原臨海球場ではセンバツ優勝の東海大相模(推薦)、習志野(千葉1位)、慶応義塾(神奈川1位)が登場。
袖ヶ浦市営球場では高橋周平(東海大甲府)、上沢直之(専大松戸)のドラフト上位候補の二人が登場。
更には高山俊、畔上翔、横尾俊建ら強力打撃陣を擁するセンバツ四強の日大三が第三試合に登場。

市原か袖ヶ浦か、迷った末に高橋と上沢という今年の高校球界屈指と評される逸材二人を観戦できる袖ヶ浦を選択した。


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ネット裏に駆け付けたスカウト陣


第一試合、東海大甲府(山梨1位)対八王子(東京3位)戦のレポートを。
試合前からネット裏には季節外れの日焼け顔にスコアブックを携えた各球団のスカウト陣が多数駆け付けた。
お目当てが第一試合に登場する高橋周平と第二試合に登場する上沢直之である事は想像に難くない。

試合の詳細は高校野球情報.comを参照下さい。


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高橋周平の打撃に、次の試合を控える前橋商業も注目


高橋は中学時代は湘南クラブボーイズに所属。二年夏のジャイアンツカップでは4番・三塁手として優勝。
東海大甲府進学後、一年生の春には5番、夏には4番を務めるなど早くから才能の片鱗を見せつけた。

村中秀人監督が「監督生活でNo.1の選手。教え子である森野将彦(中日)より同時期なら上」と、公言している。
東海大甲府に進学した理由に「誘いが熱かったのと、山梨だと甲子園に行きやすいと思って…」と答えている(「高校野球小僧 2011春号」より)。


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高橋周平の深いトップは鍛え上げられた強靭な下半身が成せるワザ


この日の高橋の打撃成績は以下の通りである。

第1打席 四球 (一死二塁から敬遠四球)
第2打席 一塁フライ
第3打席 二塁打 (八王子外野陣が後方に守備位置を敷いた為、中前に落ちる二塁打)
第4打席 四球 (一死一三塁から敬遠四球)
第5打席 二塁打 (中越する本塁打性の打球が逆風で押し戻されて、センターが落球)


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高橋を背中から写したリバースアングル


高橋を観戦するのは09年秋季山梨県大会準決勝・富士学苑戦以来、一年半ぶりになる。

「東海大甲府の高橋周平」(弊ブログ・09年10月8日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10359281805.html

当時は松井秀喜のように小さくステップしながらすり足で打っていたが、現在は大きく足を上げてステップしている。
高橋のスイングは両足を肩幅に揃えるところから始動する。
そこから右足を上げる事で重心移動をスムースに行い、ヘッドスピードを上げる事を目的としていると推測する。

ただし、空振りやタイミングを外された時に垣間見える脆さは今後の進路を考えた場合、改善点として付き合う必要がある。
足を上げる事で軸足に溜め込んだパワーを踏み出す足へロス無く伝導させる利点はある。
しかし、重心が激しく移動する事で狙い球とは異なるボールを打ち返すには確実性を失うというデメリットが付き纏う。





春季山梨県大会・決勝戦の高橋の打席がyoutubeにアップされていた。
二打席目の左翼スタンドへの本塁打にリストの強さや高校生離れしたスイングスピードの速さに非凡な才能は集約されている。
しかし、それ以外の打席、スイングでは僅かなタイミングのズレ、体の開きの早さが欠点として露呈されている。

高橋のようにプロ野球を現実として捉える逸材は、今後の進路を見据えながら技術を体得していく必要がある。
高橋のスケールアップだけではなく、東海大甲府のスケールアップを意味する。one for ALLの精神である。
残された最後の甲子園出場に向けて、高橋周平の大きな飛躍を期待したい。