山梨の準決勝に足を運んだ最大の理由は高橋周平の観戦である。
帝京の1年生コンビ・伊藤拓郎、松本剛らと並び、この年次において中学球界では名を馳せた逸材。
ボーイズの名門・湘南クラブに所属し、2年生ながら四番打者として活躍。
全国大会優勝・ジャイアンツカップ準優勝など華々しい実績を引っさげ東海大甲府に入学。
一年生ながら夏の山梨大会では四番でサードを守り、今日の富士学苑戦では三番、ショートで出場。
この日の打撃成績は5打数1安打、1死球と奮わなかった。
しかし、二打席目のライト前への強烈な打球に彼の潜在能力が集約されていたような気がする。
まさに火の出るような打球で一見の価値のある打球であった。
ボールを見極め、空間を支配するかのようにスリ足気味に右足を踏み込んでいく。
左足の膝を支点に上体を誘導させる柔軟な打撃フォームである。
狙い球を絞って外れたとしても対応の幅が広いように見受けられる。
彼のようなスイングを見せられると一本足打法の脆さと不安定さを感じざるを得ない。
推測になるが、180cm、80kgはあろうかという恵まれた体躯を持っている。
守備面では、やや腰高が気掛かりで、ショートしては若干の物足りなさを感じる。
9回に一打逆転の場面で彼に打席が回って来たときは野球漫画のような見せ場であった。
残念ながら、敢え無く凡退に終わってしまった。
富士学苑戦の結果はともかく、将来が楽しみな選手で今後の活躍を追い掛けて行きたい。