富士学苑対東海大甲府 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

第一試合に引き続き、第二試合は富士学苑対東海大甲府という私立強豪校同士の対戦。

東海大甲府はお馴染み強豪校。80年代から90年代にかけて甲子園での活躍はご存知の通りである。
富士学苑は今春、山梨県大会を制して乗り込んだ関東大会で横浜を破り、ベスト4に進出。

90年代中盤以降、山梨県内では強豪校の仲間入りを果たしている。
両校の今季の事前情報は少なかったが、非常に楽しみな対戦カードであった。


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牧歌的にさえ見えるいつもの高校野球の試合風景だが…。


試合は、富士学苑が2回、無死満塁から渡辺貴将のセンターへの犠牲フライで先制。
蟹沢磨亜玖がセンターオーバーの三塁打で2点を追加、3-0で主導権を握る。

6回には古屋拓夢の中前適時打で4点目を奪い、東海大甲府の反撃を4-3で振り切った。
東海大甲府は、9回にも一死、二・三塁の場面など再三得点機を作りながら、あと一本が出なかった。


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この試合残念だったのは、富士学苑ベンチからの執拗で、耳にして余り有る野次によって高校野球らしかぬ殺伐とした空気になった事である。
途中からはおよそ高校野球に似つかわしくない異様な空気が流れていた。


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真ん中でメガホンを持った彼が一手に野次を発していた


富士学苑からの野次はとても聞き苦しい内容であった。
しかも、東海大甲府側にブラバンによる応援が無いため攻撃時には際立って耳に入って来る。
一塁側スタンドに座っていたが、序盤から応援に駆け付けた東海大甲府の父母の感情を逆撫でしていた。

野次は試合終盤になると加速度的に酷さ・執拗さを増して、痺れを切らした父母達も
「○○打ってやれー!」「○○、なめられてんぞ!」等々野次に対する応酬が繰り広げられた。

試合後に富士学苑からエールが送られた際も東海大甲府スタンドは撤収をしながら受け取ったり、
「エールなんか要らない」とばかりに聞いていない父母の姿も目に付いた。

「大人げない」と思う反面、現場に立ち会ったモノとして致し方無いというのも事実。
試合自体は好ゲームであったが、後味の悪い観戦となってしまった。

それにしても、富士学苑の指導者は、終始一貫続けていた野次には黙認なのだろうか。
準決勝は関東大会出場が懸かっていた為、試合に没頭して目が届かなかったのだろうか。
あくまでも高校野球は学校教育の一環である。

相手のミスを過剰に誘発しようとするような彼らの執拗な野次は看過できる内容では無かった。
勝利の瞬間にはガッツポーズや抱き合う選手もグランドに見られた。
普段の富士学苑の試合スタイルは分からないが、今日に関しては問題視したいベンチからの野次であった。


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試合中の野次の影響と推測するが、互いに言葉の一つを交わすシーンも無かった