修徳・三ツ俣大樹という逸材 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東東京大会・準々決勝、修徳対紅葉川を観戦に神宮球場に足を運んだ。

球場で観戦される方は万全の暑さ対策を施して下さい。
ちなみに、神宮球場の日陰はネット裏の後方一部の座席と二階席のみで数は極めて少ない。


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暑さの影響か、ネット裏の座席は人気がなかった


東東京は大本命・帝京が敗れて混戦模様。
そんな混戦にあって、修徳の大黒柱・三ツ俣大樹は東東京では注目No.1の選手である。

三ツ俣は春季大会は背番号6を付けながらエース格の働きでチームを準優勝に導く。
また、四番に座り二試合連続を含む3本塁打で一躍注目を浴びる存在になった。


広島カープ・苑田聡彦スカウト部長は三ツ俣を以下のように絶賛している。
「今年の高校生で一番の内野手だと思います。投手での可能性もありますが、野手としての能力が高い。
 体の瞬発力がすごいし、小力がある。すばらしいスローイングに遠くに飛ばせる打撃。
 センスがあるし、すぐにプロに行けると思います。」


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三ツ俣の奇麗な立ち姿、下半身が安定している証拠


三ツ俣の投球フォームは写真を見てもはっきりと分かるように安定した下半身が土台になっている。
オーソドックスで体幹の強さが感じられる安定した投球フォーム。
気になるのは左脚が若干大回り気味な為、体の開きが早い点である。


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好投手の条件というべき「くの字」ステップを体得している


「くの字ステップ」(弊ブログ・4月23日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10514971491.html


今日の三ツ俣は7回を打者22人、被安打5、失点1という投球内容。

野手の正面をついたヒットにならない、ヒット性の当たりが3本程あったが、
紅葉川打線は三ツ俣にしっかりと対応していた。

ストレートは目測で最高で140㌔前後、アベレージでも130から135㌔あたりではないかと。
紅葉川の各打者のストレートへの対応が特に鋭かったのが印象に残っている。


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リリースの瞬間は無駄の無い素晴らしい迫力


三ツ俣のストレートによく対応していたと見るべきか、
三ツ俣のストレートが何らかの理由で打ち易かったのか、準決勝以降で結論が見えるような気がする。

今日観た限りでは左脚の若干の大回りに起因する
体の開きの早さからボールが見え易いのではないだろうか。
ゆえに見た目のボールの強さに比較して打ち易いのではないだろうか、と推測している。


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コンパクトなスイングの三ツ俣


投手としてはフィールディングや牽制球など細かい所作に物足りない部分もあるが、
成長余地があるとも考えられる。

投手か、打者か、どちらで進路を切り開くのか分からないが、逸材である事は間違いない。


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紅葉川のベンチ前での表情


最後にこの試合、紅葉川が楽しそうにシード校・修徳と対峙していた事を紹介したい。
都立高校が強豪校に必要以上に気後れしてコールドで敗れ去るシーンを見掛ける事は珍しくない。

紅葉川は失策からの失点直後であっても監督を含めて、明るい表情で試合に挑んでいた。
コールド負けという結果に終わってしまったが、清々しい戦いぶりが印象的であった。


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試合後のスコアボードです