余程の野球ファンでも名前・所在地も知らなければ、当然訪れた事もないのではないだろうか。
首都大学リーグ・二部に所属する獨協大のホームグランドで埼玉県三野市に所在する。
東武伊勢崎線・せんげん台駅からベッドタウン街、閑静な住宅街を進んで行くと田園風景が覗く。
観客数の予想はつかなかったが、路上駐車の台数から多少のファンが定着している推測が出来た。
競技レベルの高くない首都リーグ・二部にファンがいる事に野球文化の成熟と根付きを感じる。
割と豪快な路上駐車の風景
二試合目、獨協大対大東文化大の試合を観戦した。
大東文化大は昨春は一部リーグを戦い最下位に沈み、入替戦の末に二部に降格している。
降格後、秋の二部リーグ戦を優勝するなど二部リーグでは実力上位と見られている。
スコアボードの上部に「獨協大学天野貞祐祈念球場」の文字が掲げられている
獨協大の先発は高畑涼(3年・常総学院)であった。
調べると、高畑は06・07年と夏の甲子園に常総学院の控え投手としてベンチ入りしている。
目測で110から120㌔程度のストレート、更に変化球をアンダーハンドから丁寧に投げ込んでいた。
丹念な投球が印象に残った高畑の投球
試合は獨協大が7-1で大東文化大を振り切った。
獨協が少ないチャンスをモノにしたのとは対照的に大東大はピンチを凌ぎ切れなかった試合展開。
獨協の得点シーンでベンチやベンチ外選手が盛り上がっていたのが印象に残る。
大東大はチアガールや小規模のブラバンが応援に来ていた
球場のサイズ感や雰囲気を含めて、「部活動」という括りが適切な大学野球を観たような気がする。
東京六大学、東都リーグなどは学生野球でありながら「プロ予備軍」という側面がある。
ただし、学生野球は競技レベルの高さだけを競うものではなくてもいいと思う。
野球の位置付けを明確にした上で取り組めばトップリーグでの活躍が全てではないだろう。
獨協大・大東大の選手出身校を眺めると甲子園常連校や地域強豪校も珍しくない。
当然の事ながら様々な理由で数ある大学から両校を選択し、野球を続けている。
談笑が漏れる等、弛緩したムードがあるが、適度な緊張で純粋に野球を楽しんでいるように見えた。
甲子園を目指したり、強豪校で野球を続ける事が優れた選択肢のように思われがちである。
しかし、自分のサイズに合わせた野球部でプレイを楽しむ事は決して後退でも劣る訳でもない。
野球観戦に奥行きをもたらし視野を広げる為に色々な野球をご覧になってみてはいかがでしょうか?
天野貞祐さんの人物紹介の案内板があったので載せておきます