夏の甲子園予選から本戦、都市対抗野球、秋の大学野球リーグ戦などなど。
アマチュア野球に若干食傷気味だったので、久しぶりにプロ野球(巨人対阪神)を観戦して来た。
ある競技を様々な階層で観戦する事は競技者にも観戦者にも指導者にも非常に有意義な事である。
カテゴリーを跨ぐことによって否応無しに”違い”に気付く事が最大の利点である。
たとえば、世界中に競技と観戦の裾野が広がるサッカーの場合。
ワールドカップをはじめ、各国のリーグ戦、チャンピオンズリーグなどなどレベルは星の数程ある。
洋の東西を問わず、かなりのグラデーションが広がっている。
サッカーに詳しくなくても、Jリーグと欧州トップリーグの技術レベルの違いには気が付くだろう。
むしろ、詳しくない方が、その違いが視覚的に分かりやすいのではないだろうか。
日本の野球では、一般的な観戦レベルでも中学・高校・大学・社会人・独立リーグ。
5つの観戦カテゴリーがある。このカテゴリーの往来をする事は観戦に奥行きをもたらすはずである。
たとえば、イニング間のキャッチャーのスローイングは視覚的に非常分かりやすいポイントである。
中学野球では、ヤマナリまたはワンバウンド。さらにはコントロールが不安定である。
しかし、高校野球では、甲子園が近くなるに比例して正確性とスピードが増して来る。
さらに、大学野球まで進むと低くて正確な軌道に目を奪われるようになる。
現在、競技レベルで野球をしている選手達は、好き嫌いをせずに野球観戦をしまくって欲しい。
自分やチームに足りない部分と補強すべき部分が自ずと見えて来るはずである。
地方大会で急激に力をつけてきたチームのジャージーを甲子園で見掛ける事がある。
秋の明治神宮大会にも関東近郊の”甲子園にあと一歩”の学校を見掛ける事がある。
自分達に足りない部分を探しに平日を公欠したり、休日の試合をキャンセルして観戦に来ている。
素晴らしい心構えと向上心に溢れた行動だと思う。
アマチュア野球とプロ野球観戦は異次元でも別物の野球でも無い。
アマチュア野球の延長線上にプロ野球が存在していると言って間違いない。
プロは、自分がやっている野球の延長線上に位置する多いに参考すべき野球だと思う。
中学野球をやっている人は高校野球以上を。高校野球をやっている人は大学野球以上を。
上のカテゴリーの野球観戦をお奨めしたい。
半年間に渡るプロ野球のレギュラーシーズンは、佳境に突入してきた。
当然、対戦カードによっては夏の甲子園なみの臨戦態勢を備えることも多くなる。
ご存知の通り、セ・リーグは阪神・ヤクルト・広島の強烈な三位争いが激化。
パ・リーグは楽天・西武の三位争いは増々激しくなるだろう。
このあたりに関連する試合であれば、アマチュア野球の最高の醍醐味である「負けられない戦い」のエッセンスが十分に感じられるのではないだろうか?
昨日も、そこかしこにアマチュア野球との対比が明らかになる、まさにプロの野球であった!