魅力的な表紙に惹かれて・・
幕末明治時期の外国人と言えば 多くが西洋人な訳ですが
日本人に対する評価として
礼儀正しく相手を慮った秩序ある行動に感心した高評価に
日本人としては 嬉しくもありましたね。
シンプルな内装の家に 狭いながらも玄関先に
創意工夫で施された花などの園芸。
清潔志向の銭湯通い、識字率の高さ。
志の高さとして 対価を求めない親切心。
自他ともに求める厳しさの背景にある幼い頃から教え込まれる”武士道”の精神。
それが今、来日する外国人が
日本人の良さとして認めることに繋がっているなら
嬉しく誇りに思えるので続けていきたいですね。
ただ、あまりの高評価ばかりだと 社交辞令も入ってない?と
穿った考えも頭に浮かんでいたら
そんな心配はご無用とばかりに どうしても受け付けない不評もあって
逆に安心したりして
現代でも他国に行けば見慣れない習慣に驚くことはあるけれど
西洋人の目に奇妙に映った服装、髪型、お辞儀作法を自国に伝える為の解説が
ちょっと笑ってしまう感じで
特に銭湯文化というか 当時は当たり前だった混浴のことを
ほとんどの西洋人は仰天というか嫌悪を感じていたけれど
旧約聖書の「創世記」・・つまりアダムとイブの聖なる世界だ!
と、感じた人もいたそうで
いやいや、そんな高尚なものではないんだけどね・・と笑っちゃいました
現代日本人としても 理解しがたい残酷な刑罰に関しての記述。
以前訪れた明治大学で観た処刑に関する博物館を思い出してしまいます。
武士って常に腰に刀を差して人命を奪う武器を所持して歩いている訳で
冷静に考えてみると ちょっと怖いかも。
遣米使節団武士一行ときたら 品格を保つために無表情だし
アメリカ人にしたら 珍しいだろうけど
そりゃ~、むやみやたらに声かけづらいって!
当時の日本における独特な美意識として
真っ白な白粉にお歯黒の化粧法に加えて
大きな目だと恐ろしいから小さな目が美しいとされており
それが浮世絵美人に繋がっていたようです。
美の価値観は 国もそうだけど 時代によっても違ってくるものだな~と。
そうは言っても 総じて文化風習には 興味津々で好意的だったようですが
三味線を使った歌声の伝統音楽には 否定的で
・・・つまり耳障りでしかなかったようです
お互いにプラス評価、マイナス評価 それぞれを知ることで
自国のことを 改めて理解する初めての機会になった時代だったのでしょうね。